日本列島は広く長雨の季節を迎えました。毎年のように集中豪雨をもたらす梅雨前線は「停滞前線」のひとつです。停滞前線による大雨のしくみを解説します。
●停滞前線は空気のぶつかり合い
きのう15日は東北南部と東北北部が梅雨入りし、日本列島は広い範囲で長雨の季節を迎えました。毎年のように集中豪雨をもたらす梅雨前線は「停滞前線」のひとつです。
停滞前線は、暖かい空気と冷たい空気の勢力がぶつかり合うことによって発生し、その周辺で雨が降ります。春の長雨の時期や梅雨時期、秋の長雨のころに現れやすく、ぐずついた天気が続くという特徴があります。また、前線付近で大気の状態が不安定になりやすく、ときとして雲が発達し、大雨をもたらします。梅雨に現れる「梅雨前線」は、南から非常に暖かく湿った空気が流れ込むことで、北側の比較的乾いた空気との間に前線が形成され、前線の活動が活発化しやすいのです。
特に近年は梅雨末期に梅雨前線に伴う発達した雲により大雨となり、大雨特別警報が発表されることも少なくありません。本格的な長雨の季節を迎える前に、非常持ち出し品や避難場所、避難経路の確認など、大雨への備えをもう一度見直しておきましょう。