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夏にかけて「ラニーニャ現象」が続く可能性が高い 早い梅雨入り・大雨・暑い夏の傾向


気象庁は12日、エルニーニョ監視速報を発表しました。夏にかけて「ラニーニャ現象」が続く可能性が高いでしょう。ラニーニャ現象が発生している時は、日本では気温が平年より高くなり、梅雨前線の北上も、いつもの年より早くなる傾向があります。暑さと大雨への備えは、早めに行ってください。

●4月の実況

4 月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は−1.0℃で、基準値より低い値でした。ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の2月の値は−1.0℃となり、6か月連続して−0.5℃以下となって、ラニーニャ現象の基準を満たしました。太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部で平年より低くなりました。海洋表層の水温は西部で平年より高く、東部で平年より低くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強くなりました。

このような大気と海洋の状態は、ラニーニャ現象時の特徴を示しており、昨年秋からラニーニャ現象が続いています。

●今後の見通し

実況で太平洋赤道域の西部に見られる海洋表層の暖水は、今後東進し、東部の海面水温を一時的にやや上昇させるとみられます。大気海洋結合モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が、今後はやや上昇するものの、秋にかけて基準値よりも低い値か基準値に近い値で推移すると予測しています。

以上のことから、夏にかけてラニーニャ現象が続く可能性が高く、その後、秋にかけて、ラニーニャ現象が続く可能性と、平常の状態になる可能性は、同程度でしょう。

●西太平洋熱帯域 及び インド洋熱帯域の状況

• 西太平洋熱帯域: 4 月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後、夏から秋にかけて、基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。

• インド洋熱帯域: 4 月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後、夏から秋にかけて、基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。

●ラニーニャ現象の夏 日本の天候は? 暑さは?

ラニーニャ現象が発生している時の夏(6月~8月)、日本の天候がどうなるのか、気になります。

気象庁によりますと、「ラニーニャ現象」が起きている夏は、日本付近では太平洋高気圧が北に張り出しやすく、梅雨前線が北上するため、梅雨入りが平年より早くなったり、気温が平年より高くなったりする傾向があるということです。また、沖縄・奄美では、湿った大気の影響を受けやすくなり、降水量が増えることが多いとしています。

さらに、前回、夏にラニーニャ現象が発生していたのは2020年夏でした。この年の夏は、平均気温が東日本と沖縄・奄美で平年よりかなり高く、北・西日本では高くなりました。そして、2020年8月17日には、静岡県浜松市で、国内歴代最高気温に並ぶ、41.1℃を観測しました。

このように、ラニーニャ現象の夏は、急に記録的な暑さになることもあります。最新の予報をこまめにチェックして、暑さと大雨への準備は、早めに行ってください。

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