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西日本豪雨から3年 四国地方の河川氾濫を振り返る 新たな情報の活用を


平成30年7月に発生した西日本豪雨(平成30年7月豪雨)から3年が経ちました。四国地方でも大雨による河川の氾濫や土砂災害により、愛媛県や高知県を中心に甚大な被害が発生し、改めて適切な気象情報や避難情報の大切さを痛感させられました。きょうは、この3年間に新たに設けられた防災情報や見直しが行われた避難情報について、その有効な利用法を考えてみたいと思います。

●愛媛県肱川の洪水被害

この大雨により、愛媛県東予西部から南予地域及び高知県の幡多地域にかけ、人的被害や建物の損壊、浸水による被害が集中しました。最も人的被害が大きかった愛媛県宇和島市や松山市、今治市の島しょ部では、7月7日の未明から明け方にかけて発生した土砂災害に巻き込まれ、多くの尊い命が犠牲となりました。
また、愛媛県南予を流れる肱川流域では、河川氾濫による浸水被害が発生し、甚大な被害が生じました。

●「顕著な大雨に関する情報」の提供開始!

当時のレーダー図を見ると、今話題になっている線状降水帯が形成され、長時間に渡って大雨に見舞われたことがわかります。
気象庁は「顕著な大雨に関する気象情報」の運用を今年6月17日から開始し、先日6月29日に沖縄本島地方で初めて発表されました。
近年よく耳にするようになった線状降水帯とは、次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなし、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に延びる長さ50~300キロメートル程度、幅20~50キロメートル程度の強い降水を伴う雨域のことです。気象庁では日本気象協会などとの共同研究で、この線状降水帯の検出が可能になったことから、今年の6月17日から「顕著な大雨に関する情報」の提供を始めました。
「顕著な大雨に関する情報」は、現段階では線状降水帯の発生を予測するものではなく、すでに発生していることを伝える情報です。気象庁は、来年の梅雨期から、線状降水帯が発生する可能性を半日前には予測することを目指して予報技術を高めるとしています。
今後、線状降水帯の検出技術が向上し、線状降水帯の予測が可能になれば、早期の避難につながる情報としての価値が高まることが期待されています。

●「避難指示1本化」「避難勧告」の廃止

大雨などによる災害時に市町村が住民に発令する避難の勧告や指示が、今年の4月から避難指示に1本化されました。以前から勧告と指示の違いがわかりにくいという指摘があり、西日本豪雨時は、逃げ遅れによる人的被害が多発した教訓から見直しがなされ、より分かりやすく、シンプルな形に統一されました。ここでの注意点は、レベル5の段階では、すでに安全な非難が困難で、命が危険な状況です。必ずレベル4の段階で避難を終えるよう心がけましょう。

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