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【田村藤夫】日本ハムの高卒ルーキー藤森海斗に言いたい、あそこは必ずタッチプレーしなければ!


【写真】日本ハム藤森海斗(2026年撮影)

【248】<ファーム日本選手権ファーストステージ・日本ハム7-6ソフトバンク>◇3日◇しずてつスタジアム草薙

日本ハムの高卒ルーキー・藤森海斗捕手(19=明徳義塾)の6回表の守備に注目した。

   ◇   ◇   ◇

その瞬間、おやっと思った。どうして? とも感じた。ファーム日本選手権をテレビで見ていたが、6回のソフトバンクの攻撃だった。1死一、二塁で、嶺井の打球は二ゴロ。二塁手が捕球して反転してセカンドに投げるも、悪送球となった。そこで、バックアップに入っていたサードの常谷が、三遊間のかなり深い位置、やや三塁よりでボールを収めた。

二塁走者がホームにかえってくる。常谷の返球はノーバウンド送球で正確だった。ホームベースの少し前に出ていた藤森はしっかり捕球。二塁走者がヘッドスライディング。タイミングとしては、私の目には微妙だった。

タッチ次第では十分にアウトにできたと感じたが、藤森は捕球するとタッチせずに、一塁走者の三塁進塁を刺すべく三塁への送球体勢に移る。が、三塁はがら空き。送球をあきらめ、結果、オールセーフとなった。日本ハムが6-2と4点リードしていたが、この回の1点は大きく、結果として最終回に3点を奪ったソフトバンクに追いつかれた。

連続したプレーの中で、藤森は本塁が間に合わないと判断したと想像する。そして、いち早く次のプレーに気持ちを切り替えて、三塁でアウトにしようと狙ったのだろう。その思考は想像がつくが、優先すべきはまず何よりも本塁でアウトにすること。そこに集中すべき場面だった。

明らかにセーフ、これは間に合わないという場面ならば、藤森の動きもうなずけるが、そうではなかった。アウトにできる可能性は十分にあった。タイミングはきわどく、返球も良かった。藤森が受けた場所もタッチプレーに移行するのに適したポジショニング。コリジョンの心配もない。

まず、しっかり捕球してタッチに行かなければならない。タッチプレーにチャレンジしても良かった、ではなく、あそこは必ずタッチに行かなければいけない場面だった。そこは優先順位として、藤森はもう一度思い返して、よく振り返ってほしい。とても大切なことだ。ホームでアウトにできる可能性があるのなら、何よりもまずそこを優先する。鉄則だ。ファーム選手権の大舞台でこのプレーを経験したことを、終生忘れないでほしい。

では、なぜ三塁に目が向いたのか。これも私の臆測だが、常谷がカバーリングに入り悪送球を収めた時、藤森の視界には一塁走者が三塁を狙った走塁があったのだろう。そして、反射的に本塁のタイミングはセーフと判断して、気持ちが三塁送球に移ってしまったのではないか。

先のプレーを考えよう、という姿勢はとてもいい。視野を広く持とうという意図も感じられる。ただ、何度も繰り返しになるが、まずはアウトにするチャンスがあるなら、ホームでのタッチプレーを何よりも優先する。そこは徹底してほしい。

誰しもが理解していることだが、同じアウトでも本塁とその他ではまるで異なる。本塁でアウトにすれば、失点を防ぎ、さらにアウトカウントが増える。失点を防ぐ、このことのために守備陣はあらゆる努力をする。長打を許した時、中継プレーの動きを何度も練習し、精度を上げるのはひとえにホームでアウトにして失点を許さないためだ。

藤森があの瞬間にホームは間に合わずと判断したのなら、そこは映像を確認して自分の感覚とのズレを認識しておいた方がいい。常にホームでのクロスプレー、タッチプレーはきわどい。アウトにすればがぜん守備側の士気は高まる。繰り返しになってしまったが、藤森には肝に銘じてほしい。

この試合で、先発投手などが制球を乱し四球を連発した場面が何度かあったが、藤森はマウンドに足を運ばなかった。こうした部分も、私は見ていて非常に気になった。投手をケアする。これも大きな捕手の役割だ。投手は孤独だ。それも制球を乱した時の投手は、苦しい。その時に、いち早く駆け寄り、励まし、背中を押すのが捕手だ。

これは、すぐにでも改善できることだ。そこもぜひ、気をつけて試合に臨んでほしい。最後に、初回、出塁した俊足の笹川の盗塁を、しっかりアウトにしている。見事なスローイングだった。立ち上がりで苦しい川勝をそれこそ助けるいい働きだった。

スローイングも強く、正確。ブロッキングも機敏で、後ろにそらすまいというアグレッシブさがこちらに伝わってきた。いいところもたくさんある。何よりも高卒ルーキーだ。いいことも、改善すべきこともたくさん実戦で経験して、そこからどんどん学んでほしい。(日刊スポーツ評論家)

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