
<阪神7-2広島>◇17日◇甲子園
若干、嫌な予感もした。相手失策と四球で巡ってきた1回1死一、二塁の好機。打席に立った阪神佐藤輝明内野手(27)は外角スライダーに空振り、2球目の外角ストレートを見逃した。2球で追い込まれ、広島バッテリーにじっくり攻められるか…。主砲は直近10打席無安打、うち7打席が三振。球場の虎党も固唾(かたず)をのんで見ていたに違いない。
だが佐藤は冷静だった。低めに沈んできたツーシームをライナーで右翼越えに運んだ。実は佐藤、試合前まで「カウント0-2」では打率7分4厘。もちろん同カウントは打者が圧倒的に不利で、現に本塁打王を争う森下も19打数無安打と打てていない。3冠王を目指す男にとっては“唯一の穴”ともいえたが、その数字を8連敗危機の重要な試合で覆し、一流を示した。
藤川監督も序盤の攻撃に「非常にいい形で各打者がいい対応をしていたと思いますね」と目を細めた。この決勝打で「カウント0-2」は打率1割7厘に。依然カウント別で最も低いが、2球で追い込まれても佐藤は動揺しない。チームを救った一打は、相手バッテリーにもひとつ嫌なイメージを植え付けたはずだ。【只松憲】
