
日本サッカー協会(JFA)は審判委員会は27日、都内で、メディア向けのレフェリーブリーフィングを行い、23日に行われたJ1第27節の2試合で起きた警告プレーにおける見解を明らかにした。
質問が飛んだのは、類似した2つの事案で判定が異なったことについてだった。1つ目は名古屋グランパス対川崎フロンターレ戦で、後半6分に名古屋FWユンカーが、川崎FのDF神橋良汰の顔面に足裏で衝突したもの。2つ目は横浜F・マリノス-FC町田ゼルビア戦で、前半40分に横浜MF植中朝日が町田MF相馬勇紀の肩付近に足裏でぶつかったもの。前者にはレッドカードで、後者にはイエローカードが提示された。
佐藤隆治JFA審判マネジャーは、この2つの事象について「足裏が入っているという意味では同じだけど、これは赤でこれは黄色ですと線引きしてグループ分けできると判断せず、どちらも危険な行為につながる」と基本的な姿勢を示した。
その上で「ユンカー選手は、相手選手がそこにいたかどうか把握できたかどうかですけど、勢い、チャレンジの仕方、結果どこの部位に当たっているか、その強さはどうかと考えて、あのシーンはレッドカード。正しい判定」と振り返った。
植中と相馬の場面については「悩ましいと思います」。続けて「結果的に肩口に当たっている。足がおりてくる時におなかに接触して、たぶん町田の選手がだいぶ痛がったのは、おなかであって、肩ではなかった。あれが絶対黄色が正しいとは思わない、チャレンジの方法、インテンシティー、その他を考えて、現場が黄色を出した判断も一定数考えられる。あとは、VARを使ったときにどう考えるか。静止画やリプレーでみればドンドンドンドン悪く見える。ただリスクのあるチャレンジだと考えます」と判定について解説した。
議論になる判断だと認めた。「あれが黄色で間違いないのかと言われると間違いないとは言い切れない」といい「当たっている部位が顔であればユンカー選手と同じ退場しないといけない。ディスカッションかなと思います」とした。【佐藤成】