
仙台大(仙台6大学)が24日、白鴎大(関甲新学生)とオープン戦を行った。今秋ドラフト候補、両打ちの平川蓮外野手(4年=札幌国際情報)が、7月初めに見舞われた右手首のけがから完全復帰。この日は右打席で左越え本塁打。完璧な当たりに左翼手は見送ることしかできなかった。左打席でも中前打。本職ではない三塁手もこなすなど、状態は右肩上がりだ。
春は全日本大学野球選手権で優勝した東北福祉大に2連敗。3季ぶりにライバルへリーグ王座を明け渡した。「引きずっていても仕方がない。切り替えなければ秋も負ける」。平川はこみ上げる悔しさを堪え、秋を見据えた。
下級生主体となりつつあった春。リーグ戦半数以上でスタメン出場した4年生野手は2人のみ。足りないものは何か-。4年生の話し合い出た結論は「チーム力」だった。「自分たちがうまく引っ張っていけていないのと、(下級生が)遠慮しつつで、自分を出し切れていなくて」。緊張で力が発揮できない下級生の姿が、目に映っていた。
すぐさま改善に動いた。練習中から会話を増やした。春までは意見が出なければ、すぐに終わっていたミーティングも変わった。平川が先陣を切って口を開く。自らの反省をさらけ出し、意見を言いやすい環境づくりに務めた。大学日本代表にも選ばれ、チームを離れる時期もあったが、頭の片隅にはいつも「秋の日本一」があった。電話で近況を聞き、意見を伝えた。チームと同時に、平川も変わっていき、キャプテンシーが備わった。
5日後にはラストシーズンが開幕。プロ入りに向けての最後のアピールにもなる。「3冠王(首位打者、最多打点、最多本塁打)を取りたいです」ときっぱり。そして、狙うのはもちろん最初で最後の「日本一」だ。【木村有優】