
<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇3日◇大阪・フェスティバルホール
智弁和歌山の「持ってる男」の予感が見事に的中した。出場49校のうち18校の主将が選手宣誓に立候補。山田希翔(まれと)主将(3年)は「引きそうな気はしていた」。18分の1の確率にも自信があった。「これっぽい気がするな」と直感で選択した封筒を開封。紙には「選手宣誓」の4文字が記されていた。夏の甲子園で同一校の主将が2年連続で大役を務めるのは1933年の中京商(愛知)以来、92年ぶり。和歌山県勢としては今春の市和歌山を含めて3季連続の選手宣誓となった。
冗談が現実になった。中谷仁監督(46)は山田主将に「選手宣誓に立候補したらええんちゃうん? 2年連続なんかないやろ」と声をかけていた。戦後初の珍事に「まさかですね…」と苦笑いだ。4日に開会式のリハーサルが行われ、本番は2日後に迫る。急ピッチでの作業となるが、指揮官は「(山田主将は)ゴロを取るより、しゃべる方がうまいので」と冗談めかしてニッコリ笑った。
4日目・初戦の相手は花巻東(岩手)に決定。甲子園V経験校が4校も入る死のブロックにも臆さない。山田主将は「どこが相手でもやることは変わらない。夏は出し切って日本一を取りたい」と力強く宣言。今春センバツ準Vから4年ぶりの夏頂点へ突き進む。【佐藤究】