
<高校野球兵庫大会:東洋大姫路13-3小野>◇26日◇準決勝◇ほっともっとフィールド神戸
公立進学校の小野が東洋大姫路に敗れて4強で姿を消した。同校初の兵庫大会ベスト4の快進撃に、スタンドからは大きな拍手が送られた。
エースの本山翔投手(3年)が満塁弾を浴びるなど、13失点でコールド負け。それでも、0-6の4回には3点を返して3点差まで詰め寄るなど、粘りを見せた。本山翔は「甲子園を目指してやっていたのでやりきったけど、悔いはある」と複雑な胸中を明かした。
23年センバツでは21世紀枠候補ながら最終選考で同校初の甲子園出場を逃した。その直後に入学した選手が甲子園を目指して入部した。当初の部員からは減り、最後の夏に残った3年生は12人。同校初の兵庫大会4強入りし、東洋大姫路にもゲームセットまで食らいついた。北垣賢高監督(49)も「目に見えて成長した。力の差はあったけど、立ち向かっていった。誇りに思っている」とうっすらと涙を浮かべながら振り返った。
打倒東洋、打倒報徳と東洋大姫路と報徳学園の私学2校を倒すことを目指した。今夏はノーシードからベスト4まで進出して戦う権利も得た。「こいつらに感謝してます」と指揮官も生徒のパワーに押された。
本山翔はエースでキャプテンとしてチームを引っ張った。「みんなで応援も来てくれたし、最終回でもスタンドからもバックからもずっと声をかけてくれた。背中を押された」と目を赤らめながら感謝した。
敵将の東洋大姫路・岡田龍生監督(64)も「甲子園の応援みたいだった。向こうの応援しか聞こえへん」と小野側の内野スタンドを埋め尽くした大応援団が圧倒して選手を鼓舞し続けた。最後は強豪私学に屈したが、公立の秀才軍団が沸かせた。