
<ソフトバンク3-1楽天>◇1日◇みずほペイペイドーム
ソフトバンク近藤健介外野手(31)が、先制&決勝アーチをかけた。初回1死一塁から右翼スタンドへ4号2ラン。今季2戦2敗と苦手にしていた楽天滝中の失投を仕留め、ひと振りで粉砕した。真夏の恒例イベント「鷹祭 SUMMER BOOST2025」はこれで3戦3勝。チームは連勝で、今シーズン最多を更新する貯金21だ。2位日本ハムに1ゲーム差をつけ、首位をキープした。
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振り抜いたバットを手に持ったまま、近藤はジッと打球の行方を追い続けた。数秒後、スタンドインを確信。一塁へ駆け出し、大歓声を背にダイヤモンドを回った。
「(打球が)上がりすぎたと思ったんですけど…。入ってくれて、最高の結果になった」
失投を逃さず、ひと振りで決めた。初回1死一塁の第1打席。カウント2-1からの4球目、滝中の真ん中チェンジアップを豪快にかち上げた。高々と舞った大飛球は、右翼スタンドに着弾。自身17戦ぶりの今季4号2ランに「早い段階で(先制点を)とは思っていました。なかなか打ちあぐねていましたし」。相手右腕には過去2戦2敗を喫し、7月12日にはプロ初完封まで献上。3度目のマッチアップで、きっちり本拠地で借りを返した。
中心選手として、自覚と責任がある。日本ハムとの首位攻防3連戦を2勝1敗で終え、一夜明けたこの日は北海道から福岡の当日移動ゲーム。選手の疲労蓄積を考慮し、試合前練習は時間短縮で行われた。打撃練習を取りやめる選択肢もあったが「できる準備をして試合に臨む。長らくレギュラーに座る上で大切なことだと思いますし、打てる体の状況でした」。入念に準備し、本番で結果を残す。5回には1死一塁から右前打。さらに計2四球を選び、全4打席出塁と文句なしの働きぶりだった。
チームは2連勝し、今季最多を更新する貯金「21」とした。2位日本ハムに1ゲーム差をつけ、パ首位をがっちりキープだ。それでも「まだまだ先はあるので」と慢心はない。「(シーズン)前半戦は若い選手に粘ってもらったと思うので。当然、僕ら主力メンバーが打たないと優勝は近づいてこないと思う」。月が変わって、勝負の真夏戦線に突入。リーグ連覇へ、頼れる背番号3が勝利を導く一打に徹する。【佐藤究】
▽ソフトバンク小久保監督(近藤の1発に)「さすがだなというふうに見ていました。相手投手に対しての先制2ランは本当に大きかったなと思います」