
全国高校野球大会(5日開幕、甲子園球場)の新潟代表の中越(7年ぶり12度目)が7月31日、自校グラウンドで最後の練習を行った。ナインは1日に大阪入りする。
午前9時から始まった練習を締めくくったのは、正捕手の仲丸陽大(3年)だった。本田仁哉監督(48)のノックのラスト。高々と上がった飛球をしっかりとキャッチ。見守ったチームメートから歓声が上がった。
「ここでやるのはもう終わったんだな」。ノック直後はやや感傷的になった。だが、すぐに切り替える。「1つでも多く勝って、ここで練習してきてよかったと思えるように」。中越が甲子園で勝ったのは2勝して3回戦に進出した94年が唯一。「3勝以上する」と汗を流し続けたグラウンドにチーム最多勝利を誓った。
そのためにも気は抜けない。この日は3年生全員、35人での練習納め。ノックの終盤、自身の声にプレーで反応しないことに、マウンドにメンバーを集めて叱咤(しった)。「会話を大切にしてきた。それがなくてミスが続くのはだめ。試合に出る、出ないは関係ない」。同じ時間を過ごしてきたこそ、副主将として最後まで厳しさを貫いた。
そんな空気に本田監督は「いい雰囲気で終えられた」と準備ができたことを感じた。「自分たちが中越で最高の学年だったと言われるようにしたい」。仲丸は決意を話した。【斎藤慎一郎】