
<阪神5-0広島>◇30日◇甲子園
阪神大山悠輔内野手(30)が、笑顔でいっぱいの虎党とともに、一塁ベース上で白い歯を見せた。
2-0で迎えた8回無死一、三塁。甘い球を逃さなかった。真ん中付近への138キロ変化球を強打。相手が前進守備を敷く中、瞬く間に三遊間を抜いた。左前適時打を決め、試合の行方を決定づける追加点をゲット。「1試合1試合全力でやっているので、勝ててよかった」。自身今季最長でレギュラーシーズン最長タイとなる5試合連続打点を記録した試合後、いつものように勝利を喜んだ。
26日DeNA戦では初回に先制打。前日29日の広島戦も初回に先制打。直近の5試合で2度の決勝打を放っている。さすがの勝負強さで、この日は貴重な左前適時打。チームメートの佐藤輝、森下に次いでリーグ3位の打点を48に増やした。
まさに“夏の大山”だ。7月の打率はチームトップで、自身の今季月別でも最高の3割5分1厘。打点はリーグトップの18となった。昨季も7月の打率は3割。優勝した23年は8月に3割3分7厘で、2試合のみの10月を除けば月別最高の結果を残している。
疲労がたまってくる夏場だが、大山にとっては大好きな時期。藤川監督も「暑い夏で本人は体が動くと言っていますけど、自分の体を一番大事にやってもらえればと思う」と5番打者に変わらぬ信頼を口にした。
チームは連続打点中の5試合で4勝1敗。唯一敗れたのは前半戦最後の21日巨人戦で、後半戦は4連勝だ。「また明日(31日)の試合も大事になってくると思うので、しっかり頑張りたい」。それでも当たり前のように気を引き締める姿が頼もしい。
V奪回へのカウントダウンが始まった猛虎軍団。今年もまた、背番号3が本領発揮する季節がやってきている。【塚本光】