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【高校野球】関東第一・坂本慎太郎「代えないでください」完投志願 天国の両親に日本一誓う/東東京


岩倉対関東第一 優勝しガッツポーズをする坂本(撮影・小島史椰)

<高校野球東東京大会:関東第一7-1岩倉>◇28日◇決勝◇神宮

昨夏の甲子園準優勝の関東第一(東東京)が岩倉を7-1で下し、2年連続の甲子園出場が決めた。

投打で主力の坂本慎太郎外野手(3年)が2安打1本塁打1打点、投げては1失点完投で勝利の立役者となった。小学4年で母雪子さんを亡くし、昨年12月には父三男さんが急逝。天国で見守る両親のために、昨年あと1歩で届かなかった全国制覇を目指す。東洋大姫路(兵庫)センバツ準優勝の智弁和歌山など、全国で新たに8代表が決まった。

   ◇   ◇   ◇

投打で誰よりも目立ち、誰よりも輝いた。坂本の真骨頂が決勝の舞台で飛び出した。打者としては1点リードの4回先頭で、追加点となる右越えソロを放ち、自身を援護。投手としては初回からカーブを効果的に使い、岩倉打線から8三振を奪った。試合中盤には「100球を超えても代えないでください」と米沢貴光監督(49)に続投を志願。最後までマウンドを譲らず126球の熱投で締めた。

38人目の打者を右飛に打ち取ると、兄龍馬さん、姉良子さんが応援に駆け付けた一塁側スタンドに視線を送った。我慢していた感情が抑えられず「お兄ちゃん、お姉ちゃんに支えられてきたので、今大会は絶対に頑張ろうという気持ちが強かった」と涙があふれた。「お父さん、お母さんも一緒に天国で見てくれていると思う」。亡き両親への思いを強くした。

小学4年の時に母の雪子さんが54歳で亡くなり、昨年12月には父の三男さんが脳出血により75歳で生涯を閉じた。昨夏、甲子園で応援してくれた父の突然の訃報に「今も全く信じられないです」と受け止めるのに時間がかかった。残された兄、姉と一緒に乗り越え「お父さんも、お母さんも僕の中で生きていると思っています。どっちも自分が野球をやっている姿が好きでした」と懐かしんだ。「自分ならできる。諦めるな」という父の言葉を思い出し、3-1で迎えた5回無死満塁のピンチも無失点で切り抜けた。

「母は泣くのは嫌いだったので」。涙は、これで最後にするつもり。「次は笑って甲子園を終われるように」。昨夏あと1歩のところで逃した全国制覇を見据えて「今日からがスタートライン」と気持ちを新たにした。天国で見守る両親のために、最高の恩返しを果たす。【平山連】

◆坂本慎太郎(さかもと・しんたろう) 2007(平19)年5月1日、千葉・野田市生まれ。松戸柏リトルから取手シニアを経て、関東第一では投打二刀流で2年夏の甲子園準優勝に貢献。好きな食べ物はオムライス。目標の選手は投手では今永昇太、野手ではイチロー。170センチ、65キロ。左投げ左打ち。

◆関東第一 1925年(大14)に創立した私立校。生徒数は2555人(女子1203人)。野球部は1927年に創部。部員数は80人。甲子園出場は春7度、夏10度目。最高成績は87年春、24年夏の準優勝。主なOBに巨人オコエ瑠偉、西武中村祐太、中日石橋康太。所在地は東京都江戸川区松島2の10の11。乙幡和弘校長。

○…関東第一スタンドには昨夏、甲子園準優勝メンバーの卒業生が応援のために大集結した。ロッテ坂井遼投手(19)も駆けつけ「今日は練習が休みで観戦に来ました。元気よくやれば大丈夫。甲子園でも頑張って欲しいです」と、スタンドで大きな声援をおくっていた。

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