
全国高校野球大会の新潟代表、中越(7年ぶり12度目)が28日、甲子園に向けて練習を再開した。最速148キロ右腕、石山愛輝投手(3年)は軽めの投球で調整した。
直球にカーブを交え、終盤は仲丸陽大捕手(3年)を座らせて投げ込んだ石山は「感覚を確かめた」と話した。新潟産大付に3-2で競り勝った26日の決勝を終えて27日はオフ。始動初日はブルペンで丁寧に投げ込んだ。
先発した決勝は2/3で2安打2四球の2失点と、1回持たずに降板した。「チームが勝ってくれてありがたかったけど、自分がしっかり投げて決めたかった」と試合後に流した涙を振り返った。準決勝(24日)の関根学園戦は2番手で登板して6回10奪三振の快投。自己最速の148キロをマークした。だが決勝は、「雰囲気にのまれてしまって、いつも通りの動作ができなかった」と不完全燃焼だった。
もっとも148キロは大会の収穫だった。準々決勝の六日町戦(21日)で最終回の1イニング登板して2奪三振。ハードオフエコスタジアム新潟のスピードガン表示で147キロを記録し、それまでの自己最速143キロを更新した。「自分のボーダーラインを超えられた。このくらいは出ると自信がついた」。それを示すように準決勝で1キロ上積みできた。
「目標でもある」という150キロ台を狙う舞台は甲子園に移る。「150キロを出しても四球が続いたら意味がない。140キロくらいでいいから打者をしっかり抑えたい」。もちろん最優先はチームの勝利。剛球を封じてでも勝ちにいく。