
<高校野球群馬大会:健大高崎4-3前橋育英>◇27日◇決勝◇上毛新聞敷島球場
今春センバツ4強の健大高崎(群馬)が延長11回タイブレークの末に前橋育英を4-3で破り、2年連続5度目の甲子園出場を決めた。最速158キロ右腕の石垣元気投手(3年)が、8回から4イニングをパーフェクトリリーフでサヨナラ勝ちに貢献。日本一を狙う夏の甲子園では、自己最速を更新する160キロを目指すと宣言した。大阪では東大阪大柏原が延長の末に大阪桐蔭を退け、14年ぶりの夏切符。夏連覇を狙う京都国際、センバツ優勝の横浜(神奈川)など、新たに15代表が決まった。
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1点も与えられない状況でも、攻める気持ちは変わらなかった。同点の8回から登板した石垣元は「流れが良くなかったので、自分の投球で流れを持ってこようと思った」と最大限の出力で腕を振った。最速155キロの直球で押し込み、4イニングをパーフェクト。延長11回にサヨナラ適時打を放った石田雄星外野手(3年)と歓喜の輪をつくり「100点に近い」と、納得の投球を振り返った。
決勝の大一番で進化を見せた。8回の3者連続三振は150キロ台前半の直球でカウントをつくり、勝負球にはフォークを選んだ。「(昨夏バッテリーを組んだ先輩の)箱山さんから『フォークが投げられたら、もっといいピッチャーになれる』と言われて。ずっと練習してきて、打者の手もとで落ちるような感覚をつかんでいました」。今春のセンバツでも投げたが、信頼度がさらに増した。
1人の走者も許さない圧倒的な内容に、巨人大場スカウトは「将来的に上原浩治さんと松坂大輔さんを掛け合わせたような選手に育っていくことを予感させる」と、日米球界で活躍したレジェンドを引き合いに大絶賛し「見るたびにどんどん良くなっていくので、一体どこまで成長していくのか楽しみで仕方ありません」と期待した。
2年連続で群馬代表として夏の甲子園に向かう。ライバルたちとの真剣勝負を心待ちにする石垣元の目標は-。「個人としては160キロを出すことで、チームとしては夏に日本一」。待ってろよ、甲子園。大会の主役は渡さない。【平山連】