
<高校野球埼玉大会:叡明5-2昌平>◇27日◇決勝◇大宮公園野球場
叡明の田口遼平内野手(3年)は、5-2で迎えた9回から登板。最後の打者を左飛に打ち取ると、マウンド上に歓喜の輪が広がった。「みんなが駆け寄ってきて、スタンドも歓声がすごくて、素晴らしい景色だった」と勝利の瞬間を振り返った。
叡明を選んだのは「名の知れた強豪校を選ばずに、地元の高校に行って自分が強くするのも面白い」と思ったから。1年夏から試合に出場し、投手兼遊撃手としてチームをけん引してきた。
今年の春季大会では準優勝し、初の関東大会に出場。初戦で山梨学院に惜敗も「ピッチングは通用した。どの相手でもやれる」と自信をつけた。
準決勝の山村学園戦では、11回158球の完投。チームを初の決勝に導いた。翌日のキャッチボールでは10メートルの距離を投げるのがやっと。それでも決勝では「先発できるくらいに回復してました」と驚異の回復力で、9回からマウンドに。直球を中心に強気の投球を見せ、昌平打線を無失点に抑えた。
今大会はこれまでの夏最高成績であるベスト8を大幅に更新。安定した守備とつながりのある打線を武器に、初の甲子園出場を決めた。「まずは1勝して、校歌を歌いたい」。背番号6が聖地でも躍動する。【山本佳央】