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【高校野球】八王子学園八王子・島田悠之介「全力は出し切れた」亡き祖母へ捧ぐ夏終わる/西東京


八王子対日大三 9回日大三無死一塁、島田はサヨナラ本塁打を打たれしゃがみ込む(撮影・山本朝陽)

<高校野球西東京大会:日大三4-2八王子学園八王子>◇27日◇準決勝◇神宮

望みをつなぐマウンドにするはずだった。同点の9回無死一塁、カウント2-1から八王子学園八王子の2番手島田悠之介投手(3年)が投げた直球は左翼方向へ高々と上がり、スタンドに飛び込んだ。「少し浮いてしまった」。衝撃のサヨナラ2ランに、おえつが止まらなかった。

小学2年から野球を始めた左腕は、好きな言葉に「感謝」を挙げる。その2文字を教えてくれたのは、約5年前に多発性骨髄腫で亡くなった、祖母香代子さんだった。「ずっとお祖母ちゃんっ子で、好きな野球も『いろんな人に感謝しながらやりなさい』と言われ教訓にしてきた」と、記憶の糸をたどる。

祖母との一番の思い出は大阪観光をした時。香代子さんから「悠之介も高校生になったら甲子園に行ってくれたらいいな」と言われた。そこから島田も甲子園が目標になった。しかし、祖母の晩年は新型コロナウイルス禍で病院での面会はかなわず、別れは突然、告げられたという。

高校進学後、たゆまぬ努力で2枚看板の一角に成長した。大会前、祖父秀樹さんから「平常心で悔いのないように」とエールをもらい、杉並戦では7回参考の無安打無得点試合を成し遂げた。

準々決勝は初回5失点と乱れて降板したが、この日は同点の8回2死満塁、カウント2-1から救援。最後は外角直球で見逃し三振を奪い、ピンチを切り抜けた。

「準々決勝は自分が先発して1アウトも取れなかったけど、みんなに助けてもらって、もう1回神宮で投げられた」。

胸に刻んだ言葉はやはり、祖母から教わった「感謝」だった。約束の聖地にはあと2つ届かなかったが、「結果は出せなかったけど、自分の全力は出し切れた。お祖母ちゃんも見てくれたんじゃないかと思います」と背番号10。天国で何よりも喜んでいるのは、教えを守ろうとした孫の成長した姿だろう。【泉光太郎】

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