
<東アジアE-1選手権:日本1-0韓国>◇15日◇龍仁
【龍仁(韓国)15日=永田淳】日本(FIFAランキング17位)が開催国の韓国(同23位)を1-0で破って3戦全勝とし、初の大会連覇を遂げた。
前半8分にFWジャーメイン良(30=広島)の今大会5ゴール目で先制。その後はホームの声援を受ける韓国に決定機をつくられたが、大会初出場のGK大迫敬介(25=広島)の神セーブなどで完封し、日韓戦史上初の3連勝で頂点に立った。得点王と最優秀選手(MVP)にはジャーメインが輝いた。
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またも、ホットラインから「今大会の顔」ジャーメインが決めた。前半8分、流れるような展開からボールを受けたMF相馬が、左から右足でクロス。これをジャーメインが左足ボレーで合わせ、ゴール右上を打ち抜いた。「初戦でも(相馬)勇紀から自分のラインはチャンスになるイメージがあったので、いいところに入っていけた」。前回大会MVPで、香港戦で2アシストを受けていた相馬のお膳立てから、再びネットを揺らした。
香港戦は、前半だけで95年ぶりのデビュー戦4ゴールを決める離れ業を見せたが、それで終わるつもりはなかった。「最後のゲームで点を取って、チームが優勝という結果につなげられるようにしたい」。1試合だけの活躍ではなく、大会最大のライバル韓国戦で結果を出してこそ、力の証明になるとしていた。結果は得点王の&MVPのダブル受賞。大きな自信を得た。
3試合の出場で、違う顔を見せた。初戦の香港戦では前半26分までに4得点と大爆発し、途中出場した第2戦の中国戦では、引いてボールを受けながらスルーパスを供給するなどチャンスメークで貢献。韓国戦では再びフィニッシャーとして結果を残しながら、献身的な守備でもチームを支えた。
今大会への意欲は強かったものの、主役となった香港戦後も「僕は応援してる側で、意識はできないし、していない」と、W杯は遠いものだとしていた。しかし、日韓戦前には「最後韓国相手に得点を取るという自信も欲しいし、個人として(得点王)も欲しい」と貪欲になり、宣言通りのV弾。再び主役となったことで北中米への意識も変わった様子だ。「世界で活躍する選手たちがいる中で何か違い見せるとしたら、やっぱり点を取れるところ。そこしか自分にはない」。前回得点王のFW町野と相馬は22年W杯メンバーに滑り込んだ。3戦5発で初連覇をもたらした30歳が、代表デビューから一気に駆け上がる可能性は十分にある。