
<高校野球宮城大会:仙台育英8-0角田>◇15日◇2回戦◇石巻市民球場ほか
今春東北王者の仙台育英が角田に7回コールド勝ち。2年ぶりの甲子園出場に向けて好発進を切った。この試合は台風5号の影響で、10メートルを超える強風の中で行われた。チーム内では「打球角度を下げて」と共通認識を持って臨んだ。
田山纏(まとい)外野手(2年)が3安打3打点。1-0の3回無死走者なしでは、高校通算8本目、公式戦初となる本塁打を右翼スタンドにたたき込んだ。「打球角度を下げながらヒットでつないで、走塁でかき回そうという意識の結果でした」と振り返った。
「最後の夏のつもりで」。2年生の田山は並々ならぬ覚悟で今大会を迎えていた。背番号「9」を背負い、1番打者として打線をけん引する。「(背番号)1桁をもらっていますし、周りからも期待していただいているので、負けたら3年生と一緒に引退するつもりでプレーします」と口にした。
今大会に合わせた調整が功を奏した。チームは準々決勝まで、試合は午前9時開始予定。2週間前から本番を想定し、午前5時の練習開始を続けてきた。「体を慣れさせて、ベストパフォーマンスを出せるように準備をしてきました」と田山。この日もこれまで同様、午前3時50分に起床し、同5時からの練習に参加した。「体もすっかり慣れました」と入念な準備が結果につながった。
3回戦は19日、大会屈指の好投手率いる柴田と対戦する。「春の東北大会優勝は忘れて、慢心せずに夏に一本集中して戦いたいです」。目指すは甲子園での「2度目の初優勝」。上は見ず、1勝ずつ、着実に積み重ねていく。【木村有優】