
<高校野球南北海道大会:駒大苫小牧2-0苫小牧中央>◇13日◇準々決勝◇札幌円山
駒大苫小牧が2年ぶりの4強に進出した。
息詰まる投手戦の末、同じ室蘭地区の苫小牧中央を2-0で下した。8番・渡辺羚生捕手(2年)が好リードで寺田七将投手(3年)の5安打7奪三振の完封劇を演出。打撃では0-0で迎えた7回表2死三塁から右中間に落ちる適時二塁打を放った。「打ったのはカーブかスライダー。相手が後半に変化球が多くなっていたので、狙っていました。最低限犠飛をと思っていましたが、ヒットになって良かった」と相棒を助ける一打に笑みを浮かべた。
11日の大麻戦では15奪三振で8回2/3無失点と力投派の寺田をこの日は軟投派に変えた。「三振は球数が多くなるから、打たせて取る投球をしよう」と2人で話し合い、この日最速139キロの直球を見せ球に変化球を多投し、相手打線の打ち損じを誘った。渡辺羚は「スライダー、カーブの制球が良くてうまくいったと思います」。
これでチームは地区代表決定戦から3試合無失点。寺田は地区2回戦の北海道大谷室蘭戦5回以降の27回2/3無失点となった。寺田は頼れる女房役を「信頼しています。あいつに向かって腕を振ってるだけなので」と揺るがぬ絆を強調する。
寺田とは低めの変化球を振らせることを目指しており、約3週間前からは、捕手出身の高橋一真副部長(29)に朝5時半からほぼ毎日、捕球やバウンドストップの指導を受けてきた。今回の変化球主体の投球で成果を出し、渡辺羚は「寺田さんに自信を持って投げてもらえるようになってきた」と手応えを感じている。
19日の準決勝はエスコンフィールド北海道に場所を変え、北海とぶつかる。昨秋の全道大会準決勝で対戦し、自らの捕逸が敗北の一因となり、リベンジだけを考えてきた。もうボールも勝利もこの手から逃さないつもりだ。