
「強打の三高」の主砲は、これでいいのだ!!
春夏3度の全国制覇を誇る第2シード日大三(西東京)の田中諒内野手(2年)が14日、多摩工科との初戦(3回戦・スリーボンドスタジアム八王子)に挑む。身長180センチ、体重92キロの体格を生かした長打力はまさにダイヤの原石。「思い切りパワーを生かしたい。自分の打撃で日大三高に流れを持っていきたい」とフルスイングを誓う。
昨秋から4番に座り、通算13本塁打の有望スラッガーは、春季東京大会の全5試合で12打数7安打4打点。5割8分3厘の高打率で打線をけん引し、ベスト4に貢献した。東海大菅生(西東京)との準決勝ではノーアーチも両翼98メートルのスリーボンドスタジアム八王子で左翼方向へ特大の場外ファウルで観客を驚かせた。
名門の4番になったばかりの昨秋は「バックネット裏(にいる観客)から『1年の子が4番かー』と言われて緊張した」。しかし、冬場は「遠くに飛ばすことを目標にした」と1日約2500スイングを課し、春には抜群の長打力と確実性で2年生ながら実力でチームの信頼をつかんだ。
小学生時代は水泳や柔道にも打ち込んだ。とりわけ中学まで習った柔道では重量級の選手だった。「体幹や組み手で養った左手の引く力は自分の強み」と語るように筋力トレーニングに頼らずに、磨いてきた怪力は力強いスイングの源になっている。
チャーミングな一面もある。白い歯をのぞかせる笑顔は漫画「天才バカボン」のバカボンに似ているとチームから言われるそうだ。田中自身も「なんかよく言われますね。でも、名前や顔を覚えてもらえるなら」と好機にも捉えている。
2年ぶりの王座奪還へ、「3年生とできる最後の夏なので、4番として力を出し切りたい」と16歳。激戦の西東京大会で夏デビューを飾る。【泉光太郎】