
<高校野球南北海道大会:駒大苫小牧6-0大麻>◇11日◇1回戦◇札幌円山
駒大苫小牧が大麻に6-0で完封勝利し、2年ぶり準々決勝進出を決めた。エース左腕・寺田七将(ななと)投手(3年)が8回2/3を4安打15奪三振無失点の好投を見せた。05年の甲子園連覇から20年の夏、背番号1がチームを聖地に導く。
巨人田中が2年生右腕としてチームを2年連続の日本一にけん引してから20年。同じ駒大苫小牧の背番号1を背負う寺田が仕事を全うした。「全試合自分が投げ抜くっていう気持ちで来た」という左腕は、勝利まであと1人の9回2死走者なし。交代を告げられ少し残念そうだったが、完投よりもチームの勝利がうれしい。「試合が始まった1球目から全力で投げ抜こうという気持ちだった」という114球だった。
6者連続三振含む15奪三振。4回2死まではアウト11個中10個を三振で奪う完全投球だった。基本的には球数少なくリズム重視の打たせて取る投球を心がけているが「低めのスライダーを振らせて三振を取ろうと思っていた」。立ち上がりの大麻打線のバットが空を切った。
スタンドには東京から札幌まで応援に駆けつけた両親の姿があった。父敦さん(54)は「とても良かった。もちろん全試合来る予定」と、1人息子の勇姿に笑顔が絶えなかった。12月27日生まれだった寺田は「ツキがあるように」という願いを込めて、ラッキーセブンにもあやかり、縁のある七の字が名前に使用されている。
4月に左足首の靱帯(じんたい)を損傷し、春は登板なし。チームは地区予選で敗退した。復活を遂げた最後の夏。04年初優勝時の主将だった佐々木孝介監督(38)のもと、聖地を目指すラストチャンス。「今年こそ絶対に優勝して、監督を甲子園に連れて行けたら」と誓った。【保坂果那】