
<高校野球東東京大会:明大中野8-0上野学園>◇11日◇2回戦◇ジャイアンツタウンスタジアム
明大中野のエースで、楽天田中雅彦コーチ(43)の長男俐希投手(3年)が8点リードの8回から今大会初マウンドで救援し、1安打無失点でコールド勝ちで締めた。
先頭8番に1ボールからの2球目を中前に運ばれた。それでも、田中は「(先発の)石和田がつないでくれたので、自分もエースとして答えないといけない。今日は真っすぐで行こう」とひるまなかった。
最速145キロの直球を再び制球し、無死一塁から三ゴロ、二ゴロと相手打線に的を絞らせない。2死二塁で迎えた最後も力で押し込んで三邪飛で打ち取った。
父はPL学園(大阪)2年夏に甲子園で、横浜(神奈川)と延長17回の歴史的激闘を繰り広げた経験の持ち主で、ロッテとヤクルトでも捕手として活躍した。 偉大な父親の背中を追い、小学1年時から野球を始めた俐希も「尊敬するところは多いし、目指していきたい」と語る。
将来有望の右腕は大卒経由でのプロ入りを見据える。「球界を代表する大投手になって大きいところを目指していきたい」。自身最後の夏は、チーム悲願の甲子園を置き土産とする。【泉光太郎】