
<ロッテ1-13日本ハム>◇9日◇ZOZOマリン
日本ハム新庄剛志監督(53)率いる「海賊打線」が止まらない。最下位ロッテ相手に17安打で今季最多の13得点を奪い、今季2度目の5連勝を飾った。指揮官は、先発の山崎福也投手(32)に、序盤で「野手が5点以上取るから4点まで大丈夫」と約束。初回にレイエスのグランドスラム、2回に五十幡のスクイズで、あっさり5点を奪い、山崎の完投勝利をお膳立てした。首位をキープし、貯金は今季最多「16」に伸ばした。
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「大航海は続く」をスローガンに掲げる日本ハムの海賊軍団が、またも大暴れだ。今季最多の17安打13点の荒稼ぎに新庄監督は「もう打線については選手に聞いて。覚えてない」。連勝中の5試合で計65安打45点。もう、どれがどの得点だか、指揮官の記憶にも、おさまりきらなくなった。
それでも、試合前の約束は覚えていた。指揮官は昼食時に先発山崎へ「必ず野手がすぐに5点以上取るから。4点まで大丈夫」と伝えていた。前回登板の6月28日西武戦は6回無失点で、1点リードのまま72球で降板。その後、中継ぎ陣が崩れ白星を逃していた。ベテラン左腕の気持ちを思っての声かけだった。すると初回無死満塁でレイエスが満塁弾、2回1死三塁で五十幡のスクイズ(記録は三塁内野安打)で、あっさり5得点。新庄監督は「『取ったやろ』って(山崎に)伝えたらニコってしてました」とうれしそうだった。
打線のスイッチ役を担った五十幡の存在も大きかった。初回に右翼線への二塁打で出塁し先制パンチをお膳立てするなど3安打1打点。2回に内野安打、6回に中越え三塁打とサイクル安打まで本塁打1本に迫った。結果的に残り2打席は凡退も指揮官は「ホームランか三振行けと言いましたね。でも、1番が出ると全然違います」と、切り込み隊長の活躍をたたえた。
11日からは本拠地エスコンフィールドで3差で3位につけるオリックスを迎え撃つ。新庄監督は「こういった戦い。今日みたいな勝ち。ベストでしょ。ベンチで面白くないけど」。船長は泰然自若。3年半鍛えた選手達が、指揮官の思いを体現する。【永野高輔】