
止まらない汗とは対照的に、先発マウンドに立つ才木浩人投手(26)が広島打線の攻撃を止め続けた。5回まで毎回、ヒットを許し、得点圏にも走者を背負った。それでも3回1死満塁で小園への押し出し四球での1失点だけ。ピンチではバットに快音を響かせず、打線に肩すかしを与え続けた。
「ボール先行でカウントが悪く追い込んでからも決めきれないすっきりとしない投球になってしまいました。ちょっと自分らしくないピッチングが続いているなっていうのは正直なところなんで。野手のみんなが先制点、追加点と得点を取ってくれていたのにリズムよく投げられなかった」。
試合開始時点から気温30度を下回らない熱帯夜のナイターで投げ続けた。ユニホームはたっぷり汗を吸い込み、色が変わった。反省が口をついたが、5イニング114球の間で3度ユニホームを着替えて乗り切った。
1日巨人戦での6勝目同様に、2試合連続で5回で降板。それでも連勝2巡目の先発マウンドでゲームメークし、チームに9連勝を呼び込んだ。連勝中はすべて、先発、中継ぎが粘り、9戦すべて2失点以下に抑えた。球団では62年ぶりの快挙をもたらした。
「やっぱり真っすぐ勝負できてない。自分で逃げている感じのピッチングもちょいちょいある。メンタル的なところもあるし、やっぱりゾーンにしっかり勝負できてないから、球数も増えていると思う。自分らしくどんどん攻めるピッチング、もう1度しっかりできたらいいのかな」
たくさんの汗をしたたらした中で、課題は見つかった。貯金積み上げを続ける7月に右腕が、快投で見返すチャンスはまだまだある。【伊東大介】
▼阪神が6月28日ヤクルト戦から9連勝。9連勝以上は2年ぶりだが、この9試合はすべて2失点以下。阪神の9試合連続2失点以下は63年9月29日~10月8日以来、62年ぶり。また、藤川監督は今年が1年目で、阪神の新人監督が9連勝以上は82年6月18日~7月2日に11連勝した安藤監督以来、43年ぶり。