
<ソフトバンク4-3西武>◇5日◇みずほペイペイドーム
ソフトバンク柳町達外野手(28)が、4日ぶりの首位打者に返り咲くマルチ安打で勝利に貢献した。同点の5回に一時勝ち越し打を放つなど、打率を3割1分5厘に上げ、楽天村林、オリックス西川を1厘差で抜いてトップに立った。チームの3位は変わらなかったが、2位オリックスを0差、首位日本ハムを1差で猛追。6日も勝てば、日本ハムとオリックスの結果次第で、昨季のパ王者が今季初の首位に浮上する。
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悩める男が首位打者に返り咲いた。柳町はお立ち台で「いやぁ…、ちょっと(1回)転落しちゃったので。まだまだここから上を目指して頑張っていきたいと思います」と照れくさそうに笑った。本拠地に集うホークスファンは、温かい拍手で28歳の背中を押した。
まずは2回の第1打席で左前打。今井の内角スライダーを打ち返した。前日4日に30打席ぶりのお目覚め安打。2試合連続で快音が響き「ホっとしました」とリラックスできた。2-2の5回1死二塁では、左翼越えの一時勝ち越し適時二塁打。8球粘り、今度は今井の直球を逆方向へ飛ばした。チームが2戦2敗と苦手にし、柳町自身も無安打に抑えられていた右腕から2安打。「素晴らしい投手から打てたので結構自信といいますか。あれだけ速い球にも負けずにタイミング合わせられた。ちょっと復調したんじゃないかなっていう。少しの自信につながった」とうなずいた。
6月19日の広島戦以来、11試合ぶりのマルチ安打。打率3割1分5厘に上げ、楽天村林、オリックス西川を1厘差で抜いて再びトップに立った。「こんな経験したことない」。プロ6年目で初めて規定打席に到達し、目まぐるしく数字と向き合う日々。電光掲示板の打率が下降するたびに、自分自身を見つめ直した。「(安打が出なかった)6試合は本当に長かった。疲れっていうのは感じました」。
首位打者は争いは激しさを増しそうだが、柳町が謙虚でいるのは最終ゴールだけを見つめているからだ。「まだまだ。ただの道中でしかない。もっともっとヒットをいっぱい打って、その結果、首位打者という形になったらと思う。まだまだこれからが勝負」。口元を締めて球場を後にした。
1打点を含む柳町の復調で、チームは西武との1点差ゲームを制した。3位は変わらなかったが、2位オリックスを0差、首位日本ハムを1差で追う。6日も勝てば、日本ハムとオリックスの結果次第で今季初の首位に躍り出る。1勝1敗で迎えるカード3戦目も必勝だ。【只松憲】