
<ソフトバンク2-1日本ハム>◇2日◇みずほペイペイドーム
ソフトバンク山川穂高内野手(33)が、移籍後初のサヨナラ打でナインを3連勝に導いた。1点を追う9回1死一、三塁。日本ハム加藤貴から値千金の一打を放ち、リプレー検証の末に劇的決着の立役者となった。今シーズンは極度の不振に苦しみ、2軍落ちも経験。悔しさを振り払う一振りで決め、チームは今季最多の貯金10だ。さらに、首位新庄ハムに1ゲーム差と急接近した。担当記者が山川とのふれあいメモを書いた。
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スラッガー山川の気遣いに触れたことがある。ある日。ふとこう口にした。
「記者のみなさんって、僕って、怖く見えているんですか?」
山川がそう感じたのは、6月5日の中日戦(みずほペイペイドーム)だった。移籍後初めてスタメンから外れ、欠場した一戦。試合後はスタメン落ちとあって大勢の報道陣に囲まれた。ただ、山川に映った記者の表情が「なんで申し訳なさそうな表情で聞きにくるんですか」だった。
「僕って、どんな時でも変わらない態度じゃないですか。 怖く見えているんですかね」。山川は打った時はもちろん、打てない時も常に気丈に振る舞う。試合後に取材拒否なんてことはまずない。むしろ「記者の皆さんも仕事ですもんね」と言う。そんな気にかけてくれる姿に、どこか応援したくもなる。山川の活躍は番記者としてもうれしい。【ソフトバンク担当=佐藤究】