
<ソフトバンク2-1日本ハム>◇2日◇みずほペイペイドーム
日本ハム加藤貴之投手(33)の祈りは届かなかった。「アウトになってくれたら…」。1点リードの9回1死一、三塁で山川に左翼フェンス直撃の長打を浴びた。三塁走者の野村が生還して同点とされたが、一塁走者の代走緒方は本塁アウトの判定。即座に小久保監督がリクエスト。リプレー検証後、非情にも審判の両腕が開いた。「自分のミスですね」。セーフに覆り、サヨナラ負けで試合が終わった。
打線が1回に併殺崩れの間に奪った1点を必死に守ってきたが、最後に崩れた。8回を投げ終えて95球。新庄監督も「今日は最後まで行かせようって。(先発陣)みんなが完投してるから行かせないと。それがウチの野球なんで」と9回続投に迷いはなかった。勝利を託された最終回のマウンドも加藤貴は「丁寧にいっていたつもりだったんですけど」。悔やむしかなかった。
日本ハムの先発陣は、6月29日西武戦の達(9回1失点で完投勝利)、7月1日ソフトバンク戦の北山(8回1失点で完投負け)に続いて加藤貴も完投。球団では00年5月5~7日西武戦(オーミーが完投負け、岩本が完投勝利、金村が完投負け)以来、25年ぶりの3試合連続完投だが、結果は1勝2敗。6カードぶりの負け越しで、2位オリックスとは0・5差、3位ソフトバンクも1差に迫ってきた。
完投王国は着々と数字を伸ばしても、投打がかみあわなければ勝利はつかめない。3日ソフトバンク戦では4月25日以来の3連敗を阻止して、首位を守りたい。【木下大輔】