
<ヤクルト0-2阪神>◇28日◇神宮
阪神ジョン・デュプランティエ投手(30)がツバメ打線を圧倒し、4勝目をつかんだ。来日初先発だった神宮球場は、グラウンドの気温が40度を超える悪条件。何度も汗をぬぐいながら、7回を3安打に封じ、スコアボードに0を並べた。
デュプランティエ いい登板ができました。坂本選手が素晴らしいリードをしてくれたおかげ。スコアラーがいいデータをそろえてくれたので、それに沿って投げることができた。カウントを有利に、不利になっても、その後はゴロで打たせることできました。
岩崎から手渡されたウイニングボールを大事に、勝利の余韻をかみしめた。
初回は先頭並木に左前打を許した。1死二塁のピンチを背負ったが、落ち着いて後続を料理。リズムに乗ると、2回以降は二塁を踏ませなかった。「立ち上がりは体重移動がうまくいかなかった。(3回以降)攻撃陣が長いイニングをつくってくれたので修正できました」。真っすぐ、スライダー、カーブ、チェンジアップを駆使し、相手打線を翻弄(ほんろう)した。
酷暑の中、神宮に詰めかけた虎党の声援も力に変えた。真っすぐは序盤に最速154キロをマーク。7回2死から宮本を見逃し三振に斬った直球も152キロと勢いは衰えなかった。左翼席はベンチへ戻る助っ人を大歓声で包んだ。「ファンの応援のおかげで疲れずにエネルギーにあふれて投げることができました」。
来日初完封を決めた前回19日ロッテ戦(甲子園)から16イニング連続無失点。5月3日の甲子園で、6回を0封し、来日初勝利を挙げたヤクルト戦も13イニング連続無失点。2戦2勝でツバメキラーぶりも印象づけた。チームの連敗を2で、ビジター連敗も7で止めるストッパーぶりだ。
父ジョンさんが7月上旬に来日する。少年時代に母デブラさんに叱られると、「こら、やめなさい。やめないのね? はい。じゃあ、お父さんところに行きなさい」と、震え上がったほどジョンさんは怖かったとか。でも色んなことを教わったおかげで今の自分があると感じている。恩返しするために、まだまだ白星を積み重ねる。【伊東大介】