
<巨人5-0DeNA>◇28日◇東京ドーム
超攻撃的な1、2番コンビが誕生した。1番に入った巨人丸佳浩外野手(36)は4回2死二、三塁から先制の2点適時二塁打を放つなど全5打席出塁し、2番オコエ瑠偉外野手(27)も6回1死満塁から走者一掃の適時三塁打をマーク。2人で全5打点をたたき出し、チームはリーグ戦再開後2連勝。今季ここまでの73試合で試した1、2番の組み合わせは24通り。試行錯誤の末にたどり着いた新コンビが、巨人浮上の鍵を握る。
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長いシーズンを折り返し、初戦となった今季73試合目。「動かせなくなってきたな」。試合を見つめた阿部監督は、2人の打者の働きぶりに目を細めた。24通り目となった1、2番。丸、オコエに「メークチャンスをしたり、返してくれたり」と手応えがあった。
リードオフマンが先制点を呼び込んだ。4回2死二、三塁。「それまではくさいところに来てた。そこは我慢しながら」。丸はフルカウントから、DeNAバウアーの155キロ直球をはじき返した。右中間への2点適時二塁打に、ガッツポーズも弾けた。
開幕前に右太もも負傷で戦列を離れた。約2カ月間のリハビリ期間。野球がもっとうまくなりたい、36歳でも向上できると打ち込んだ。1つが関節。種田トレーナーは「広げた可動域の中で動作を発揮する。可動性と安定性は相反しますが、どっちも頑張りました」と説く。この日は4四球含め、3年ぶりに全打席出塁と1番の役割を全うした。
2番オコエは、その背中をずっと見てきた。5月2日に右肘の手術を受け、リハビリ期間が重なった。「丸さんに追いつけ追い越せでやってこう」と汗を流した。実戦復帰、1軍復帰はともに丸が約1週間先で、くしくも打順でも丸に続く2番に座った。
6回、丸が申告敬遠で歩いて1死満塁。バウアーの初球ナックルカーブを痛烈に左中間に打ち返した。走者一掃の3点適時打。7年ぶりだった前日に続く2試合連続の三塁打となり、「いけるんじゃないかと思っていた」と今季初打点もともした。
ケガを乗り越えた新コンビで全5打点をたたき出し、貯金生活突入に導いた。シーズンの残りは約半分。1、2番の25通り目が必要なくなれば、ゴールの優勝も見えてくる。【阿部健吾】