
<巨人4-0DeNA>◇27日◇東京ドーム
“魔の金曜日”を打ち破った。巨人山崎伊織投手(26)がDeNA打線に7回途中4安打無失点と好投した。プロ入り後未勝利だった金曜日の登板で今季7勝目をマーク。8回にマウンドに上がったセットアッパーの大勢投手(25)の緊急降板も、中継ぎ陣と開幕から30試合連続無失点となった守護神ライデル・マルティネス投手(28)の完封リレーで封じた。チームはリーグ戦再開初戦を白星で発進。勝率を5割に戻し、DeNA、広島に並ぶ2位に浮上した。
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山崎がローテの柱としての自覚をにじませた。各球団エース級の投手が投げることが多い金曜の登板は、過去5試合で0勝2敗。6度目の登板で初勝利をつかんだ。今後も金曜に投げることが予想されるが「そういうところはあまり気にせずに、まずは自分のピッチングをしっかりできるようにコンディションを整えて次もしっかりと頑張りたい」と早くも次を見据えた。
尻上がりに調子を上げていった。「変化球が思ったより操れていなかった」と振り返ったように、序盤は捕手の甲斐が構えたところにいかないボールが目立った。杉内投手チーフコーチも「逆球が多い印象」とコメント。それでも崩れないところが今季の山崎の強みだ。「今日は真っすぐが思ったよりもしっかりコントロールできたことが、なんとか0でいけた要因じゃないかな」と味方の好守に助けられながらも、当たり前のように0を並べた。
開幕からの無双ぶりとDeNAとの好相性を買われ、リーグ戦再開初戦の先発を託された。この日の勝利でリーグトップタイの7勝目。防御率も1・24まで良化し、投手リーグ2冠に浮上した。対DeNA戦は23年10月4日からシーズンを挟み7連勝。抜群の相性を誇るが「そんなイメージは全くない。目の前の打者1人1人を抑えた結果がそうなったと思います」と淡々と振り返った。
投手陣、チームの先頭に立つ。開幕から不振が続く戸郷が23日に今季2度目の登録抹消。井上も1カ月以上白星から遠ざかっている。そんな窮地でも、快投を見せた右腕は「(中山)礼都が守ってくれたり(吉川)尚輝さんがヒット性の当たりをアウトに取ってくれたり、甲斐さんが強くリードしてくれたり。本当にチーム全員で勝てた勝利」。この日はシーズン72試合目の折り返し地点。チーム思いの山崎が、後半戦も無双の予感を漂わせた。【水谷京裕】