
<高校野球岩手大会・組み合わせ抽選会>◇26日◇盛岡市・キャラホール
第107回全国高校野球選手権青森、秋田、岩手、宮城、山形大会の抽選会が26日に行われた。
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春の岩手を制した盛岡大付は第1シードでの夏発進。坂本主将は「あとはやるだけだと思いますし、相手は決まったんですけど、一番の相手は自分たちだと思っています」とまっすぐに語った。
昨夏は決勝で花巻東に敗れ、涙をのんだ。途中出場の坂本も無安打。「あと1歩のところで負けてしまったので、甲子園までは甘くないんだなと思った反面、甲子園はあと1歩でつかめたんだなって」と近いようで遠い聖地への思いはさらに大きくなった。
昨秋は一関学院に敗れ8強にとどまった。雪の影響で守備練習が満足にできない中、打力を鍛えることをメインとしたが「技術はもちろんなんですけど、それ以上に秋は人間が弱くて負けたということがチームとしてあったので、人間力を磨いてきました」と言う。
掃除から何まで、普段の生活隅々まで気を抜かずに取り組んだ。「サボろうと思えばサボれることもしっかりやる。厳しい練習、苦しい練習にどれだけ耐えられるかにつながるし、大事なことだと思う」。チームで意識を1つにするため、声をかけ合いながら精神面を磨いてきた。
そのかいあって、春の県大会は見事に優勝。前任の平野修至内野手(3年)に代わり、春から主将のバトンを受けた坂本も納得の結果だった。しかし東北大会は初戦で敗退。移動のバスの掃除が甘かったり、私生活でも隙が見られた。
「その段階で負けるぞと。まだまだ人間的な甘さがあるなと、敗戦を経験してあらためて人間力の大事さを感じました」。もう1度チームを引き締め直すきっかけとし、4年ぶりの聖地へ。「粘り強い自分たちの持ち味を出して、今までやってきたことを存分に発揮できればと思います」。磨きあげた人間力で頂点まで勝ち星を重ねる。【高橋香奈】