
<東都大学野球1、2部入れ替え戦:駒大11-4日大>◇最終日◇24日◇神宮
2部優勝の駒大が1部6位の日大に17安打11得点で快勝し、2連勝で3季ぶりの1部昇格を決めた。1点ビハインドで迎えた2回、相手失策や永野陽大内野手(2年=日大三)の三塁への適時内野安打で逆転に成功。流れを引き寄せた駒大打線は得点を重ね、7回には鳥山穣太郎内野手(4年=常総学院)の左越え2ランで勝利を決定づけた。日大は21年春以来の2部降格となった。
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昨秋、新チーム結成時から大事にしてきた「徹底力」が、勝利を引き寄せた。4安打1打点の真辺麗生(れお)外野手(2年=東邦)は「ストライクボールは積極的に振りにいこうと決めていた」。打撃で結果を残しながらも「チームで決めたこと。全力疾走や声かけ。得点の後の守備も徹底した」と、日大につけ入るスキを与えなかった。出村夢太主将(4年=星稜)も「昨年は、チームの決めごとや戦術を徹底できなかったから」と、チーム力の高さを見せつけた。
昨年1月に就任した香田誉士史監督(54)は、選手たちと同じ寮で生活し、対話も大事にチームを把握した。昨春、2部降格の屈辱を味わっても「まだこれから」と前を向き、選手たちと1からチーム作りに励んだ。試合を重ねるごとに選手たちも香田監督の野球、起用方法を理解し、役割分担が明確になると試合に向かう準備も変わった。同じ方向を向いて粘り強く力を発揮した。
秋は、胸を張って1部に乗り込む。チームの合言葉は「1部に招待されるチームになろう」だった。学校生活はもちろん、寮の規則も徹底した。香田監督は「運や勢いを呼び込むのは日々の生活、行動。(勝利の)一番の要因は心技体に充実できたこと」と納得の表情を浮かべた。
チームの目標は日本一だ。香田監督は試合後の胴上げを拒み「1部で優勝した時にとっておきたい。秋、最下位になる可能性もある。揺るがないものを作りたい」と厳しい表情を崩さない。秋、日本一を目指す1部の舞台へ。新たな挑戦が始まる。【保坂淑子】
▽中畑清・駒大OB会長 「まとまりも出てきて、戦えるチームになってきた。堅守にスキのない攻撃。やっとスタートラインに立てた、という感じだな」