
大和ハウスプレミストドームを運営する株式会社札幌ドームの新社長に就任した阿部晃士氏(56)が23日、札幌市内で会見を行った。
「今後も安定的な経営ができるよう一丸となり、現札幌ドーム社員とともに誠心誠意、経営の立て直しに参る所存。まさしく第2の創業という意気込みで取り組んでいく」とあいさつした。
この日、株主総会が行われ、24年度の純利益は約4200万円で2期ぶりの黒字となった。23年度はプロ野球日本ハムの本拠地移転の影響もあり、過去最大となる6億5100万円の赤字だった。ネーミングライツ契約の締結による広告事業が増収。eスポーツの世界大会など新規イベント開催によって、総イベント開催日数は年間129日(前期比31日増)だった。今後について「なかなかプロ野球は難しいかもしれないが、可能な限り全方位的に、スポーツに限らず、文化、また多くの市民に使っていただける施設を目指していく」と見据えた。
逆風も受け止め、前を向く。世間では、札幌ドームに対して経営面などで疑問視する意見もある。「みなさん関心があるということ。すごくありがたい。ここまでいろんなコメントをいただけるのは、私からするとめちゃくちゃラッキー。注目していただいているので。ここを一気にとはいかないと思うが、このアゲンスト(向かい風)をどうやってフォロー(追い風)に変えていくか。ネガティブキャンペーンからポジティブキャンペーンに移していきたい」と話した。
◆阿部晃士(あべ・こうじ)1969年(昭44)3月18日、札幌市生まれ。札幌大経営学部卒業。92年株式会社日本交通公社入社。主に営業職を務め、22年に株式会社JTB北海道広域代表に就任し、25年3月に退任。25年6月株式会社札幌ドーム代表取締役に就任。