
<練習試合:健大高崎-鶴岡東>22日◇健大高崎グラウンド
昨夏に左肘のトミー・ジョン手術を受けた健大高崎(群馬)の佐藤龍月(りゅうが)投手(3年)が22日、330日ぶりの実戦登板を果たした。同校グラウンドで鶴岡東(山形)との練習試合に先発。直球、カーブ、カットボールも織り交ぜ1イニング14球を投げ、遊ゴロ、投ゴロ、三ゴロの3者凡退に仕留めた。8割程度の力感で最速143キロを計測し「思ったよりも数字的に出ていた。これからもっと出力を上げていけたら」と上々の再スタートを飾った。
昨年のセンバツは2年生ながら優勝投手に輝き、夏の群馬大会では同学年の石垣元気投手との継投で優勝に導いた。大会後に左肘痛が限界に達し、高校卒業後のプロ入りを見据えて手術を決断。「腕を固定して動かすこともできず、運動すらできない」状態は苦しかったが、地道なリハビリを経て約11カ月ぶりの実戦マウンドを笑顔で終えた。「支えてくれた方々への感謝の気持ちを持って投げました。いい準備をして、いいピッチングができました」と喜びをかみしめた。
駆け付けた8球団11人のスカウトに復活を印象づけた。楽天の井上スカウトは「夏に間に合うと感じさせてくれた。上司にもぜひ見てもらいたいと言わなければ」と今後も注視する考えを示した。迫る群馬大会では外野手と並行しながら、短いイニングでの登板の可能性が現実味を帯びてきた。佐藤龍は「けがする前より数段階レベルアップした自分を見せたい」と意欲を燃やした。【平山連】
▽DeNA稲嶺スカウト プロでもトミー・ジョン手術から復帰までに1年ないし1年半かかると言われている中で、それを上回る早さで復帰できたのはすごい。
▽巨人大場スカウト 手術明けの登板だったが、怖さもなく腕を振れていた。順調に進んでいるように見えたし、ドラフトの(候補)選手リストに十分入れる。