
<日本生命セ・パ交流戦:DeNA5-0ロッテ>◇21日◇横浜
鬱憤(うっぷん)を晴らす3者連続ホームランだった。交流戦でチーム打率最下位に沈むDeNA打線が、2回に本塁打攻勢を浴びせた。
先頭の牧秀悟内野手(27)が左翼席へ12号ソロを放つと、続く筒香嘉智外野手(33)が右翼席へ5号ソロ。戸柱恭孝捕手(35)も右翼席へ確信の2号ソロで続いた。球団では4年ぶり、交流戦ではセ界初となる3者連発。投げては大貫晋一投手(31)が101球で2年ぶり2度目の完封勝利を収め、チームは連敗を2でストップした。
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まさに野球の華だ。熱気に満ちた横浜で3者連続ホームランが舞った。2回先頭、牧がロッテのルーキー広池のカットボールを左翼席へ。ボルテージが上がった球場の雰囲気が、筒香の背中を押す。9球目のカーブを捉えて右翼席への5号ソロ。「秀悟がホームランで先制点を取って、あと1点、2点が必ず試合の流れを変えるところ。後ろにつなぐ意識でした」と2者連発。続く戸柱も確信歩きの1発で3者連発とし、球場のムードを味方につけた。
チームにとっても価値ある一打は、筒香にとっても意味のある一打になった。追い込まれながらも直球を3球ファウルで粘り、浮いたカーブをたたき切るようにして運んだ。「カーブに元々嫌な印象はなかったけど、日本に帰ってきてからは間合いの違いだったり、感覚の違いでなかなか反応できてなかった。今までできていた良い感覚に少しずつ戻ってきてると思います」と納得のいく反応が出てきた。
5月からは約1カ月、状態が上がらずにファームで打ち込みを敢行。10キロ近い加重ベストを着用し、重心を低く保って打てる形を模索した。結果的に構えの重心も下がり、交流戦開幕と同時に1軍合流してからは4本塁打でOPS・990と圧倒的な数字を残す。現状を「僕の中に1つすごく大事な身体の使い方の感覚がある。それが薄くなっていたのが少しずつ分厚く、濃くなってきていると思います」と表現。自信も手応えも深まりつつある。
チームは前夜、今季ワーストの1安打で敗戦。交流戦チーム打率は1割9分7厘と12球団最下位に沈む中、昨季所属したフォードの再獲得にも乗り出しており、DeNA復帰が決定的な状況。オースティンが負傷離脱中の打線にさらに厚みが加わり、この日の本塁打攻勢でさらに勢いもついた。交流戦は残り1試合。「明日勝って交流戦を終えられるように」と筒香。ド派手な快勝から波に乗っていく。【小早川宗一郎】
▽DeNA三浦監督(牧、筒香、戸柱の3者連発に)「あまりないことですけど、非常に勢いがつきましたし、盛り上がりました。これを(打線復調の)きっかけにしないといけない」
▼DeNAは2回に牧、筒香、戸柱が3者連続本塁打。DeNAの3者以上の連続本塁打は21年8月27日ヤクルト戦(宮崎-ソト-牧)以来4年ぶり13度目。交流戦では16年ソフトバンクが6月3日広島戦(柳田-内川-松田)で達成して以来2度目で、セ・リーグのチームでは初めて。