
J1最下位の横浜F・マリノスが、暫定指揮を執る大島秀夫ヘッドコーチ(HC=44)のもと、マリノス伝統の攻撃スタイルへと立ち返る。キスノーボ監督の解任発表から一夜明けた20日、横須賀市内の練習場で次節岡山戦(21日、日産)へ練習した。
移籍話が浮上するAロペス、Yマテウスら選手たちの表情も、どこか明るかった。負傷で長期離脱していたDFキニョーネス、FW宮市の姿もある。クラブ史上初となる同一シーズン2度目の監督解任という重い空気は見当たらなかった。
大島HCは「難しい状況だけど(自分以外に)誰がやるんだという思いでやっている。現役時代もファン・サポーターに後押しされた。恩返しじゃないですけど何としてもこの状況を打開したい」。今季はホーランド前々監督の下、失点数の多さを改善すべく守備に重点を置いた。しかし結果的にアグレッシブさが影を潜め、受け身のサッカーに終始。選手たちはストレスを抱え、チームの雰囲気も悪化した。キスノーボ監督が引き継いだ後も公式戦2勝8敗と好転しなかった。
大島HCは「選手が自信を持ってノビノビとアグレッシブに、ポジティブにプレーすること」と、前に仕掛ける本来の攻撃スタイルを取り戻すことを誓った。キーマンとなるのはAロペス、Yマテウス、そして出番を失っていたエウベルのブラジル人トリオとなる。
ロペスとマテウスは去就について語らなかったが「いい準備ができチームの雰囲気はいい」と前向き。さらに「(大島HCとは)長く一緒にやっているので特長も分かってくれている。この状況から抜け出せる期待感がある」と好転の兆しを口にした。【佐藤隆志】