
J1で最下位に低迷する横浜F・マリノスは20日、大島秀夫ヘッドコーチ(HC、45)が20日、マリノス伝統の攻撃的なスタイルへの立ち返りを誓った。
20日、横須賀市のF・マリノススポーツパークで次節・ファジアーノ岡山戦に向けてトレーニングを実施。以前からHCとして練習では指示の声を飛ばしていたが、この日も手慣れた様子で指導した。
練習後にメディア対応し、キスノーボ監督解任に伴う暫定指揮についての思いを語った。
今回の経緯には「要請されたらやらなきゃいけないと思った。難しい状況だけど、(自分以外に)誰がやるんだという思いでやっている。現役時代もファン・サポーターに後押しされた。恩返しじゃないですけど、何としてもこの状況を打開したいと思って引き受けた」とおとこ気を見せた。
今季はホーランド監督から始まり、昨季の失点数の多さを改善すべく守備に重点を置いた戦い方となった。それが結果的に攻守の歯車を狂わせ、選手たちがストレスを抱えてチームの雰囲気が悪くなる悪循環に陥っていた。
大島HCがまず心がけることは「選手が自信を持ってノビノビと、アグレッシブに、ポジティブにプレーすることが一番大事。そこを思い起こさせることが最初にやること」とした。
つまり、もともとマリノスに芽生えていた前への勢いを出すこと。最前線からプレスをかけ、即時奪回からゴールへ向かう。低迷気の引いて守るスタイルからの脱却であり、アタッキングフットボールを取り戻すことをテーマに掲げる。
この日は負傷で離脱していたFW宮市亮、DFキニョーネスもチームに合流。「もうメディカルからコンディションとして(試合が)やれるところまでいけるんじゃないか、と聞いている。新しい体制に変わるので話し合っていきたい」と復帰間近を示唆した。
当面、指揮を執るのは2試合。21日の岡山戦と25日のFC東京戦(ともに日産スタジアム)となっている。ただ西野努スポーティングダイレクターが明言したとおり、大島HCの昇格も一つの選択肢となっている。
「明日(の岡山戦)は見ていて一番は感動を与えられる試合、選手が躍動している姿を見せたい。過去じゃなくて、今、これから自分たち次第だと話した。選手たちがポジティブにやれるようにしたい」
雨降って地固まる、となるか。マリノスのDNAを熟知する大島HCの起用は、1つのターニングポイントとなるかもしれない。