
<日本生命セ・パ交流戦:オリックス-巨人>◇15日◇京セラドーム大阪
大阪桐蔭で13年春夏の甲子園に出場し、希少がんと闘う福森大翔(ひろと)さん(29)が特別始球式に登板した。捕手役は同級生のオリックス森友哉(29)が務めた。
「大阪代表バファローズ高校(3年連続4回目)」イベント最終日のこの日、同校吹奏楽部の演奏に合わせ、笑顔でマウンドへ。ノーバウンド投球を披露し、森と抱き合うと、大きな拍手に包まれた。
「いろんな人に支えてもらっているんだなというのを改めてマウンドに立って思いました」
2カ月ほど前から練習を開始。「抗がん剤の影響で腕が上がらなかったりだとか、何回も休んでしまったりしたんですけど、サポートしていただいたおかげでこの日を迎えられて、本当によかったです」。森からは投球後、「投げられたやん」と声をかけられた。「正直友哉の顔しか見えなくて、高校時代思い出したりだとかしたんですけど、落ち着いてくるにつれて球場全体を見渡せるようになって、友哉が和らげてくれたかな」と感謝した。
森も「僕にとって彼はかけがえのない親友です。始球式は驚くほど強いボールでした。母校の応援演奏も力になったのではないでしょうか。彼が1日も早く完全寛解の日を迎えることを願っています」とコメントした。
福森さんは同じ希少がんで闘う人たちに希望を与え、新たな治療法を模索しようとクラウドファンディングを立ち上げている。「少しでも多くの人にまだまだ前向きにトライできるよということを伝えられたら」と力強く語った。