
<とっておきメモ>
<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム5-0広島>◇14日◇エスコンフィールド
前回7四球と崩れた日本ハム細野晴希投手(23)が、しっかり修正して初勝利をつかんだ。嫌なことがあっても、腐らず時間を大切にする。幼少期から続けてきた習慣は、プロでも力になった。こどもの頃の遊びは兄妹でのテレビゲームだったが、兄妹げんかが頻発した。「いいアイテムを取ると妹が怒るんです。『こっちの番なんだけど!』みたいな」。大好きな画面から離れることを余儀なくされ、仕方なくあおむけに寝転がり、気づけば天井に向かって2時間ほどボールを真上に投げていた。
この投球が、いつの間にかゲームになった。「勝手に試合をイメージして遊んでました」と、天井に想像で立たせた“打者”を相手に、多彩な変化球で攻めた。そんな日々から10年以上が経過し「変化球は投げようと思えば投げられるんですよ」。その中から厳選したツーシームやスライダー、カットボール、スプリットなどで、最速158キロの快速球を彩る。あの日磨いた妄想力と手先の器用さが、6回8三振無失点の土台になった。【黒須亮】