
<全日本大学野球選手権:福井工大4-2近大工学部>◇9日◇1回戦◇東京ドーム
劇的な幕切れに球場が沸いた。3大会連続46度目出場の福井工大(北陸)が、2大会連続で初戦突破。2-2の9回2死二塁の好機。指名打者で起用の4番・高松紳志外野手(4年=明徳義塾)が右翼スタンドに野球人生初となるサヨナラ弾をたたき込んだ。
「リーグ戦では、なかなかヒットが出ずに、チームに迷惑をかけたこともあったので、勝ちたいという気持ちが打球に乗ってくれました」と笑顔。頼れる主将がバットでも勝利へ導いた。
3打席目からバットを変えた。1打席目は左飛、2打席目は遊ゴロと凡退が続いていた。「『打たされる』という打席が続いたので、速い打球を打つために軽く長く、そのバットを短く持つ意識でした」と、84センチ900グラムのバットから、85センチ880グラムに変更。これが功を奏し、3打席目で遊撃手への内野安打。「ヒットが出たのでこのまま、このバットでいこう」と決断。これが、サヨナラ弾につながった。
2回戦では大産大(阪神)と対戦する。「この試合は自信につながったと思うので、追う展開になっても諦めない気持ちを大事にして、次も勝ちたいです」と意気込んだ。【木村有優】