
<日本生命セ・パ交流戦:阪神8-1オリックス>8日◇甲子園
阪神伊原陵人投手(24)が関西ダービー3連勝を導く力投を見せた。5回6安打1失点(自責点0)とゲームをつくり、今季5勝目。これで自身4連勝となった。初の交流戦登板となりながらも変わらず、堂々と腕を振った。
「今日はなんとか、という感じです。本当に野手に守ってもらって、なんとか最少失点でいけたかなと思います」
毎回走者を許した展開だった。4回2死二塁。6番頓宮に中前打を浴び、中堅近本がファンブルした間に唯一の失点を喫した。ただ、同学年森下からの3ランなど援護も受けながら、この回以外ではキッチリ無失点。この日で防御率も0・99まで良化した。規定投球回こそ3回1/3イニング届いていないが、抜群の安定感を見せ続けている。
相手先発の曽谷は同学年。自身と同じ奈良出身で、左腕というところまで同じだ。伊原が曽谷の存在を知ったのは、大学時代の全国大会進出時。「いいピッチャーというのは知っていた。映像を見たりはしていましたね」。現在も深い面識があるわけではないが、意識せずにはいられない存在。試合前にも「しゃべってはないですけど、合図は送りました」と軽いやりとりはあったという。
「いい刺激を送り合えると思う。スピードボールや変化球、僕より良いボールを持っている。吸収できるところは吸収して、学べるところは学びたい」
リスペクトする同学年同郷選手との対決。この日は伊原に軍配が上がった。
藤川監督も「彼らしくやってくれたと思いますね。関西で育って、社会人もずっと関西。関西ダービーの最後がタイガースドラフト1位の伊原で。素晴らしい1日になったんじゃないですかね」と目を細めたゲーム。即戦力左腕が、申し分ない働きを見せている。【波部俊之介】
▽阪神ネルソン(7回に3番手で登板して3者凡退)「大体は自分の思い通りに投げられました。(代打攻勢は)まだあまり相手のことが分からないから、1人の打者として見ていただけ。代打は問題なかったです」
▽阪神及川(4番手で8回を無安打に抑え5試合連続無失点)「なんとか若い者でカバーして、石黒も初ホールド取りましたし、全員で。大智さん(石井)が安心して帰ってくる状況を作って迎えられたらなと思います」