
<サッカー静岡県高校総体:常葉大橘2(4PK3)2藤枝順心>◇7日◇女子決勝◇袋井・エコパスタジアム
女子決勝は、常葉大橘が実に14年ぶりとなる頂点に立った。13連覇を狙った藤枝順心に2-2からのPK戦で4-3。2度のリードを追いつかれる展開も勝ち切った。同校は、全国総体出場(上位2校)を懸けた東海総体(21日開幕、三重)に出場する。
◇ ◇ ◇
常葉大橘が、藤枝順心を王座から引きずり降ろした。延長戦でも決着つかず、2-2で突入したPK戦。3-3から最後は5人目のDF松永紗依(2年)が沈め、激闘に終止符を打った。22年の全日本高校選手権から、総体も含めて全国5連覇中だった女王を撃破。エースのFW松浦芽育子(3年)は「めちゃくちゃうれしい」。青空の下、歓喜の輪が広がった。
昨年の県選手権決勝でも藤枝順心に1-0で勝利。松浦が決勝点を奪うなど、現在のメンバーが当時から主力の半数を担った。今季もリーグ戦で2連勝して迎えた大一番。絶対女王相手にも松浦、FW竹川花音(3年)のゴールで2度のリードを奪うなど、臆することなく試合を運んだ。松浦は「練習から雰囲気も良くて正直、負ける気はしなかった」と胸を張った。
大舞台で味わった悔しさが原動力となった。県1位で挑んだ昨冬の選手権。初戦の2回戦で専大北上(岩手)に逆転負けした。最終ラインの要DF小島あのん(3年)は「自分たちが変わらなければ、結果も変わらない」。新たに、日々の練習のポイントや改善点などを“当番制”で記した一冊のノートを全員で共有。ミーティングの数も増やした。昨季限りで退任した後藤亜弥前監督(31)もスタンド駆けつけたこの日、成長した姿を披露した。
21日から始まる東海総体は、各県の優勝校が出場。4校で総当たりのリーグ戦を行い、上位2校が全国総体(7月28日開幕、北海道)の出場権を得る。4月に就任した落合史裕新監督(35)は「静岡県勢として全国6連覇できるように、プライドを持って戦っていきたい」。松浦も「絶対に北海道に行く、行きます」と繰り返した。県制覇は通過点。さらなる高みを目指す。【前田和哉】