
<日本生命セ・パ交流戦:ヤクルト1-8ソフトバンク>◇7日◇神宮
今日首位打者です! ソフトバンク柳町達外野手(28)が、4安打2打点の大活躍で8得点大勝&52日ぶりの3位浮上を導いた。「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦で先制打やダメ押し打など、慶大時代の“庭”だった神宮で大暴れ。打率を3割5分7厘に上げ、今日8日の同戦で4打席以上立てば規定打席に到達し、一気に首位打者に浮上する。開幕2軍スタートから逆襲し、6年目の大ブレーク。逆転2連覇を目指す小久保ホークスに、欠かせない存在になっている。
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柳町は心地よさそうに汗をぬぐった。慶大時代から慣れ親しんだ神宮でのヒーローインタビュー。タカ党の大歓声を浴び、「いや~。いい景色だなと。ちょっと4本はできずぎだなと思います。自分でもびっくりするぐらいです」と感激しっ放しだった。プロ2度目の1試合4安打で8得点大勝に貢献。余韻に浸った。
初回から快音を響かせた。ヤクルト先発吉村に対し、フルカウントからの10球目を中前打。「粘った中で対応できた」。0-0の3回2死二塁では先制の適時三塁打。6試合連続の複数安打としたが、満足はしていなかった。1-1の3回は先頭で右前打を放ち、打者一巡の猛攻で巡った2打席目は8点目の右前適時打。6月は月間打率6割と絶好調だ。要因を問われ「ん~」と考え、「必死に打っています」とにっこりだ。
プロ6年目の今季は開幕2軍スタートだったが、チームに故障者が続出して4月1日に緊急昇格。少ないチャンスを生かして好調街道が始まり、同23日から25試合連続スタメン出場を続ける。バットは打ちでの小づちと化し、控えから一転、レギュラーの風格すら漂い始める。小久保監督も「外せない選手から、チームをけん引する選手に変わりつつある」と最大級の賛辞を送った。
打率は3割5分7厘に上昇。今日8日のヤクルト戦で4打席以上立てば規定打席に到達し、両リーグトップへ躍り出る。現在3割2分3厘でオリックス太田は故障離脱中。3割打者自体が少ない今季のプロ野球で、2位以下に大きく差をつけての急浮上となりそうだ。それでも「ただの途中経過なので。目指すところは最後の最後に名前が載っていることだと思う」と過信も慢心もない。
チームは今季最多タイの貯金3で、4月16日以来52日ぶりの3位浮上。首位日本ハムとも2・5ゲーム差に縮めた。逆転でのリーグ連覇へ、大ブレークを予感させる背番号32が頼もしい。【佐藤究】