
<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム5-4阪神>◇4日◇エスコンフィールド
阪神佐藤輝明内野手(26)が「日本生命セ・パ交流戦」の日本ハム戦(エスコンフィールド)で進化した姿を披露した。
4回1死から右手1本で右翼席に14号ソロをガツン。阪神以外の全11球団からの本塁打を達成した。さらに8回には中堅左に15号2ラン。通算100号に王手をかけた。チームは両軍合わせて5発の空中戦に敗れて連勝が4でストップ。セ・パ首位チーム対決は1勝1敗で第3ラウンドを迎える。
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周囲の心配を、佐藤輝は一撃で吹き飛ばした。4回。先発加藤貴の内角のボールに対し、スイングしかけたところで左手を直撃した。一時はうずくまり、トレーナーも駆けつけた。虎党もざわつく中で、再び戻った打席。左手を使うことなく、外角のスライダーを右手1本ですくい上げた。
「普段は、ああいうので入ったりしないので。1本目はちょっとラッキーな部分はありました」
高い弾道で、右翼席にそのまま飛び込む今季14号ソロ。自他ともに驚く衝撃の1発だった。ベンチに戻ると両手を挙げて肩をすくめて「Why」ポーズを披露した。3点を追う8回2死一塁には、左腕河野の初球146キロ直球を強振。中堅フェンスを越える、この日2本目の15号2ランとなった。「2本目は良かったと思います」。結果的には空砲となったが、反撃ムードを演出する2本塁打だ。
これで12球団本拠地での「本塁打制覇」に、みずほペイペイドームを残して王手。日本ハム戦での自身初本塁打となった。プロ5年目。阪神を除く全11球団全てのカードでの本塁打を達成した。
昨季まで日本ハム戦はパ・リーグとのカード別打率ワーストの1割6分2厘。特に敵地エスコンフィールドでは8打数無安打だった。前夜も4打数無安打に倒れていた中で挽回の2発。両リーグ断トツの15本塁打、40打点を挙げる主砲が、ひと味違う今季の打撃を見せつけた。
この日の2発で通算本塁打数は99本に到達。大台の通算100号にもいよいよリーチとなった。「意識はしていないので。1日1日頑張ります」。ボールの当たった左手の影響にも「特にないです」と問題なしを強調。頼れる主砲が、パ・リーグ首位の相手にも持ち味を見せつけた。【波部俊之介】