
全日本大学野球選手権が、9日に開幕(東京)する。日大国際関係は1枠の東海地区代表の座を勝ち取り、7年ぶり5度目の出場。大会第3日の11日に神宮球場の第2試合(午前11時半開始予定)で、西南学院大(九州6大)-聖カタリナ大(四国地区大)の勝者と対戦する。1番石川蒼外野手(3年)が、東海選手権で打率6割6分7厘を記録。全国でも好調のバットでチームに流れを呼び込む。
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日大国際関係の石川が、満を持して大舞台に乗り込む。東海選手権では、2試合で6安打3打点と大暴れ。1枚の全国切符獲得に大きく貢献した。打撃賞と優秀選手の個人賞も受賞。状態上向きで迎える本番に向け「チャンスメークもするし、4年生がつないでくれた好機でタイムリーも打ちたい。状態は良い。『任せろ』という気持ち」と頼もしい言葉を並べた。
コンタクト率が高く、積極的な打撃が魅力の左打者。50メートル5秒台の俊足を生かした守備範囲の広さも兼ね備え、今春から「1番・中堅」で定位置をつかんだ。リーグ戦では12試合で打率3割7分5厘を記録。不動のリードオフマンとして、2季ぶりの優勝を支えた。「ちゃんと野球と向き合えている。優勝もできて、素直にうれしかった」と飛躍の時を迎えている。
“新たな相棒”が好調を支える。春前からグリップエンドが太い「タイカップ型」にバットを変え、通常よりも短く握った。「ヘッドが下がり気味だった課題が改善され、素直にバットが出るようになった」。オープン戦から快音は続き、当初9番だった打順は最終的に1番に昇格した。結果に伴い、気持ちにも変化が生まれる。同級生や先輩たちに引っ張られ、自主練も週4日に増加。くすぶっていた能力が開花した。
中学時代以来となる全国大会の初戦は2回戦。西南学院大-聖カタリナ大の勝者とぶつかる。試合当日には、地元の栃木から両親や祖父母など頼もしい“援軍”も駆けつける予定だ。石川は「道具を買ってもらったり、普段から支えてもらっている。良いところを見せたい」と胸に誓い、神宮の打席に向かう。【前田和哉】
◆石川蒼(いしかわ・あおい)2004年(平16)4月23日生まれ、栃木県鹿沼市出身。年長から鹿沼西スポーツで野球を始め、小6まで所属。中学時代は栃木ヤングベースボールクラブでプレーし、青藍泰斗をへて日大国際関係。右投げ左打ち。家族は両親と兄2人、妹。174センチ、72キロ。血液型A。