
JFLのアトレチコ鈴鹿FWのカズ(三浦知良、58)が3日、この日亡くなった巨人長嶋茂雄終身名誉監督をしのんだ。
クラブを通じてコメントを発表。「長嶋さんは野球界だけでなく、すべての人たちにとってのスーパースターでした。あらゆる人たちに愛されていたのだと思います」と世代も競技も超えた唯一無二の存在と捉えた。
サッカー少年だった小学生のころに見た光景が忘れられないという。「7歳くらいの頃に目にした引退セレモニーは脳裏に焼き付いています。選手として活躍されていたときのことを、同じ時代の人間として見てはいないはずの僕らでも、『この人はすごい人だ』と勝手にインプットされていました。すごい選手だぞ、と誰かから教わったわけでもない。それでも僕も含めた人々の、生活の一部となっていました」と続けた。
「プレーはもとより、日ごろの一つ一つの振る舞い、しぐさににじみ出る長嶋さんの長嶋さんたるゆえん。名言の数々。何をしても華があって、サマになる。面白くて、印象に残る。すべてが絵になる。いるだけで周りが明るくなる。人々が笑顔になれる。夢をみさせてくれる。そんな存在だったのだと思います。『サッカー界の長嶋茂雄のような存在になりたい』これからJリーグが創設されようという頃、憧れにとどまらない決意にも似た思いで、取材時にそう答えていたのを思い出します」。今年、プロ40年目を迎えるサッカー界のレジェンドは、ミスターの背中を追い続けてきた。
「心からお悔やみを申し上げ、そしてご冥福をお祈りいたします。とても悲しく残念ではありますが、長嶋さんが野球人として貫かれたことは、みんなの心に、失われることなく宝物としてずっと残るのではないでしょうか。『長嶋茂雄』は一つの存在として、永遠に僕のなかに、そして人々のなかで生き続けるのだろうと思います」とあふれる思いを締めくくった。