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【巨人】「けじめをつけるんだ」監督長嶋茂雄が丸刈りにした理髪店「もう少し通ってほしかった」


長嶋茂雄氏が現役時代から通い続けた理髪店「文化理髪室」を営む店長、吉田博さんが長嶋さんの思い出を語った。特に記憶に残っているのは、1998年にチームの不振にけじめをつけるため、ゴルフキャップをかぶって丸刈りを頼んだエピソードだ。その丸刈り頭はチームに危機感をもたらし、監督続投にも影響したという。吉田さんの店は長嶋氏が入団2、3年目から訪れ、多い時は週2、3回通っていた。最後に吉田さんが長嶋氏を見たのは、東京五輪での聖火ランナーを務めた時だったが、長嶋氏が亡くなった後も思い出が色濃く残る。

現役時代から長嶋氏が足しげく通った文化理髪室の店長吉田博さん(撮影・泉光太郎)

3日朝に亡くなった長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(享年89)がかつて、丸刈り頭で球場入りし、ファンらを驚かせたのも記憶に残る名シーンだった。

そんな丸刈りを頼むなどミスターが現役時代から50年以上通った理髪店「文化理髪室」は現在、東京都大田区にある。

店長の吉田博さん(78)は「当時の長嶋さんは髪が長くて帽子姿で来ると、いきなり『五分刈り、三分刈りにしてくれ』って言い出してね」と懐かしそうに振り返った。

1998年夏、松井秀喜と清原和博の「MK砲」を擁した長嶋巨人はV戦線生き残りへがけっぷちだった。7月31日の阪神戦(甲子園)では、ガルベスが審判員にボールを投げつけて無期限の出場停止。8月2日は乱闘の末、武上打撃コーチが出場停止処分を受けた。チームの不振に、相次ぐ不祥事。厳しい現実に長嶋監督は心を痛めていた。

契約最終年で去就も問われていた。同月の広島戦前に指揮官が訪れたのは、当時渋谷区にあった吉田さんが営む理髪店。ゴルフキャップをかぶって来店すると、担当だった弟の明さんに「吉田君さ、丸坊主にするにはどれぐらいにすればいい。けじめをつけるんだ」と興奮気味に聞いてきた。

突然の注文に戸惑ったが、明さんは手動バリカンを使って刈り上げた。「いやー、学生以来だな」。長嶋氏は立大以来の丸刈り頭になっていた。

ミスターの丸刈り頭はその後、チーム内の危機感を生み、監督続投にもつながった。一連の出来事に兄の博さんは「一つの癒やしではなく成功につなげてくれたのがうれしかった」。さらには「スランプで店に来た日でも嫌な顔一つしなかったね。本当に切り替えの早い人だった」とミスターの人間力を感じ取った。

店は長嶋氏が入団2、3年目の時に、ある野球解説者の紹介で訪れたのがきっけだった。多い時は週2、3回通った。お気に入りメニューはシャンプー。店内に置いて帰っていた老眼鏡をかけて、雑誌を読みながら受けていたという。

03年に大田区に移転した後も、病気のリハビリも兼ねて通ってくれた。2階の店内へ階段で上がる時はいつも「エッサ、エッサ」と声を出す。散髪後に「取っておいた方がいいよ」と言われた白髪交じりの毛は博さんが大切に保管している。

博さんが長嶋氏を目にしたのは、東京五輪で聖火ランナーを務めた21年が最後と言うが、毎年、写真カレンダーが届くなど親交は長く続いていた。「偉大な長嶋さんのおかげで店が繁盛したのもある。もう少し長く通ってほしかったけど、天国からうちの店を見ていてほしい」と話した。【泉光太郎】

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