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長嶋茂雄さんと王貞治さんの間で交わした約束があった 人を笑顔にするパワーは不滅 担当記者悼む


巨人の終身名誉監督である長嶋茂雄氏が89歳で亡くなりました。彼はその生涯を通じて、ベースボールと人々に大きな影響を与えました。彼のユーモラスな人柄は多くのエピソードで知られており、特に00年の広島市民球場でのドミンゴ・マルティネスとの交流は印象深いものでした。長嶋氏の強い個性は記者たちとの食事会でも光り、「熊の手」料理を面白おかしくコメントする姿が見られました。また、彼は盟友の王貞治氏と1億人にサインを書く約束をしており、生涯にわたってその目標を追い続けました。その結果、多くの人々に笑顔と感動を与え、東日本大震災の被災地にもメッセージを残しました。長嶋氏の存在は不滅であり、彼の影響は永遠に続くでしょう。

マルティネスと話し込む長嶋茂雄監督

巨人終身名誉監督の長嶋茂雄さんが3日午前6時39分、肺炎のため都内の病院で死去した。89歳だった。

  ◇  ◇  ◇  

長嶋さんに湿っぽい話は似合わない。00年のことだった。広島市民球場での試合前練習で、長嶋さんは打撃ケージの真後ろから、真剣な表情で巨漢ドミンゴ・マルティネスのフリー打撃をみていた。

「すごいだろ」。西武と巨人で活躍したドミニカンの打球は本当によく飛ぶ。私が「えげつないパワーですね」とあいづちを打つと、長嶋さんは目を大きく見開いた。

「違いますよ、唇ですよ、ク・チ・ビ・ル。あの分厚さは人間じゃありませんよ」。そこっ?! 私が笑いを必死にこらえていると、「異変」を察知したマルティネスが何事かと振り向く。すると長嶋さんは「ヘイ! マル。ナイスバッティング!」

マルティネスはうれしそうに、ニコっと笑った。

幸せな空気を運んでくる。真夏に、上下真っ白のスーツを着こなしてさっそうと球場入り。ゆっくり通り過ぎたあと、目に入ってきたのは、背中いっぱいに広がったドナルド・ダックの刺しゅうだった。担当記者との食事会で「熊の手」の料理が出てくると、「熊の手にはパワーが詰まっているんですよ。ご存じのように、冬は永眠しますから」。監督、それじゃもう死んでますよ! 長嶋さんといると、自然に笑顔になった。

一番好きな話。現役時代、盟友の王さんとの間でこう約束した。

「ワンちゃん、おれたちで1億人にサインしよう。日本中をおれたちのサインで埋め尽くそう」

サインを求められればどんな時でも断らなかった。病に倒れたあとも、慣れない左手で書き続けた。見る人が「もはや筋トレ」と評した過酷なリハビリと同等の執念で、何度も何度もサインの練習をした。

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手・宮古市の市長室には「ガンバレ! 宮古」と添えられたサイン(写真)が飾られている。たどたどしくも力強い筆致で書かれたその色紙を、地元の人たちは争うようにコピーして持ち帰ったという。人を笑顔にさせるパワーは、まさに「不滅」だ。【99~01年巨人担当・沢田啓太郎】

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