
元ヤクルトの宮本慎也氏(54=日刊スポーツ評論家)が、公式YouTube「解体慎書」を更新し、2000安打を達成した楽天浅村栄斗内野手(34)について、偉業達成までの裏側などを語った。
自身も2000安打を達成した宮本氏は、解説で訪れた試合前、残り9本に迫りながら35打席連続無安打だった浅村から「『いや、もう打てないと思います』とか言うんですよ。打てるよ、9本なんか」と言葉をかわしたことを明かした。
楽天のコーチ陣からは「誰も2000安打を打ったことがないから、気持ちがわからないんですけど、宮本さんもそんなことあったんですか?」と聞かれたという。「僕も実は思うように打てなかったんですよ」と明かし「個人記録なんで、早く打って終わらせたいんですよ」と話した。
その気持ちが強くなると「届きそうなボールだとヒットになると思って、悪いボールにも手を出すんですよ。それで自分の状態を悪くするんです」と説明。浅村には「自分の好きなところだけ待って、それ以外に見えたら振らん方がいいよと言ったんです」と助言を送ったことを明かした。
浅村は2000安打達成の前に、20日の西武戦で連続試合出場が1346試合で途切れた。宮本氏は「すごく言い方が難しいですけど、チームを預かるものとしては、(記録が)ちょっと邪魔な時があるんですよ。休ませたいなとか、本当に悪くて外したいなっていう時にすごく苦労すると思うんですよ」と首脳陣の苦悩をおもんぱかった。
苦しんだ末の達成に「(前日に)1本、(当日に)1本出たんかな。あれはね、苦しかったんだと思いますよ。泣いたじゃないですか、泣きそうもない男が、お立ち台でちょっとすみませんって。泣くのは意外でしたけど、苦しかったんやろなって」と話した。
平成生まれ初、大阪桐蔭初の名球会入りを祝福しながら、宮本氏は「ちなみにPL(学園)は7人いますけどね」とライバル校としてのプライドものぞかせ、ニヤリと笑った。